「俺の顔を見て笑っただろ」レジで突然怒り出した男性客。だが、店長が確認したレジでの実際の様子
列が止まった夕方のレジ
20代のころ、私はドラッグストアでレジに立っていた。夕方の混雑どきで、私のレジにはお客さんが並んでいた。
50代ほどの男性の会計を終え、私はいつも通り「ありがとうございました」と言って頭を下げた。
顔を上げると、男性はレジ袋を持ったまま、険しい表情でこちらを見ていた。
「…今、笑っただろ」
突然の言葉に、私は一瞬何を言われたのか分からなかった。
「え…?いえ、笑っていません」
「俺の顔を見て笑っただろって言ってるんだよ」
「そんなつもりはありません。本当に…」
すると男性の声が少し大きくなった。
「じゃあ、何であんなお辞儀したんだよ。馬鹿にしてるのか?」
「いえ、そういうことではありません」
後ろにはまだ長い列ができていた。先頭のお客さんが困ったようにこちらを見ているのが目に入り、私はますます緊張した。
男性はしばらく私を見たあと、苛立った様子で言った。
「もういい。あなたじゃ話にならない。店長呼んで」
「分かりました。少々お待ちください」
声が震えそうになるのをこらえながら、私はそう答えた。
店長が確認すると言ったこと
様子に気づいた隣のレジの先輩が、店長を呼んでくれた。
店長は男性の前へ来ると、「お待たせしました。どうされましたか」と声をかけた。
男性は私を指しながら話し始めた。
「会計が終わったあと、この子が俺の顔を見て笑ったんだよ。どういう教育してるんだ」
店長は途中で口を挟まず、男性が話し終えるまで聞いていた。
それから落ち着いた声で言った。
「お話は分かりました。ただ、うちではお辞儀をするときは目線を下げるように指導しています」
「いや、この子は俺を見てたんだって」
「分かりました。では念のため、レジ周辺の記録を確認します」
店長がそう答えると、男性は少し黙った。
その間、先輩が後ろのお客さんに声をかけ、隣のレジへ案内してくれた。止まっていた列が少しずつ動き始め、私はようやく息をつくことができた。
男性にはその場で待ってもらい、店長は記録を確認するため一度その場を離れた。
しばらくして戻ってきた店長は、まず私に小さな声で言った。
「確認したよ。いつも通りのお辞儀だったから大丈夫」
その言葉を聞いて、張りつめていた肩から少し力が抜けた。
店長は男性にも向き直った。
「こちらでも確認しましたが、通常通りのお辞儀でした。お客様のほうを見て笑っている様子も確認できませんでした」
男性はすぐには何も言わなかった。
しばらくして、「……そうか」と小さく答えると、それ以上は何も言わず店を出ていった。
男性の姿が見えなくなってから、私は大きく息を吐いた。
店長はそんな私を見て、少し声をやわらげた。
「びっくりしたよね。でも大丈夫。ちゃんといつも通りできてたよ」
「ありがとうございます……」
ようやく声に出せたとき、張りつめていた気持ちが少しほどけた。
レジに戻ると、先輩が対応してくれていたおかげで、さっきまで続いていた列もずいぶん短くなっていた。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














