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2026.09.17(Thu)

「いつも来てるんだから」予約時間前の案内を求めた常連客。カウンターを叩いたあと、店長が返した一言

「いつも来てるんだから」予約時間前の案内を求めた常連客。カウンターを叩いたあと、店長が返した一言

受付に立つたびに身構えた人

40代に入ったころ、予約制のお店の受付でパートをしていた。

常連の中に、どうしても身構えてしまう50代くらいの男性がいた。

男性は予約時間より早く来ては、すぐに案内してほしいと言ってくることがあった。

「申し訳ありません。まだ前のお客様がいらっしゃるので、もう少しお待ちいただけますか」

そう伝えると、男性は決まって不満そうな顔をした。

「また待つの?いつも来てるんだから、少しくらい融通きかせてよ」

「順番にご案内していますので…」

「それは分かってるけどさ。もう何度も来てるでしょ」

声が大きくなると、待合にいるほかのお客さんまでこちらを見る。私は受付に立つたび、今日は何もなければいいのにと思うようになっていた。

混み合った週末の午後、その男性がまた予約時間より早くやってきた。

いつもどおり順番を待ってもらうよう伝えると、男性はカウンターへ身を乗り出した。

「ちょっと待ってよ。俺の顔、覚えてないの?」

「もちろん覚えています。ただ、先にご予約のお客様がいらっしゃいますので」

そう言うと、男性は手のひらでカウンターを強く叩いた。

「もういい。店長を呼べ。あなたじゃ話にならない」

私を指さした男性と、店長の一声

奥にいた店長が出てくると、男性は少しだけ声の調子を落とした。

「店長さん、この人さ、さっきから待てって言うばっかりで。こっちは何度も来てる客なのに」

そう言いながら、男性は私のほうを指さした。

私が説明しようとすると、店長がこちらを見て小さくうなずいた。

「大丈夫。声が聞こえていたから、やり取りは分かっています」

男性は一瞬黙った。

店長はこれまでの対応記録を確認しながら、落ち着いた声で続けた。

「以前にも早めに来られたことがありますよね。そのときも、予約の順番でご案内しています」

「でも、いつも来てるんだから、それくらい何とかならないの?」

男性はまだ納得できない様子だった。

店長は少し間を置いてから答えた。

「いつも来ていただいているのはありがたいです。でも、先に予約されている方を飛ばすことはできません」

「…常連でも?」

「はい。そこは、どのお客様も同じです」

店長の声は穏やかだったが、男性はそれ以上何も言わなかった。しばらく黙ったあと待合の椅子へ移り、自分の名前が呼ばれるまで待っていた。

その日の閉店後、店長は対応の記録を残しながら、私に声をかけた。

「今日は大変だったね」

気になっていた私は、思わず聞いた。

「私、何か言い方まずかったですか?」

店長は首を振った。

「いや、ちゃんと説明できてたよ。次からあの方が来たら、私が受付に出る。あなたは今までどおりで大丈夫」

その言葉を聞いて、ようやく肩の力が抜けた。

それから男性が来るたびに店長が受付に立った。案内する内容は変わらず、予約の順番どおりだった。

やがて男性の予約はいつの間にか入らなくなり、受付のカウンターを叩く音も聞かなくなった。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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