「親戚からの入学祝いを使ったの?」義母に預けたお金が消えていた。問い詰めた義母の言い分とは
電話でたずねた、預けたお祝いの行き先
息子が小学校に上がった年の話だ。入学式のあと、夫の親戚からいただいたお祝いの封筒を前に、私は名前を一つずつ手帳に書きとめていた。
そこへ義母が来て、私の手元をのぞきこんだ。
「それ、入学祝いでしょ?私が預かっておこうか。必要になったら言ってくれればいいから」
身内なのだから大丈夫だろうと思い、私は封筒をまとめて渡した。
「じゃあ、お願いします」
「うん。ちゃんと預かっておくから」
息子のためのお金を大事に保管してくれるのだと、そのときの私は何の疑いも持っていなかった。
秋になり、息子が習いごとを始めることになった。
そこで入学祝いの一部を使わせてもらおうと思い、義母に電話をかけた。
「お義母さん、前に預けた入学祝いなんですけど、そろそろ受け取りに行ってもいいですか?」
電話の向こうで、少し間があった。
「ああ…あれね。実はちょっと入り用があって、使っちゃったのよ」
思わず聞き返した。
「え…使ったんですか?」
「ずっと使うつもりじゃないわよ。少し借りただけ。ちゃんと返そうと思ってたの」
「でも、息子のお祝いですよね……」
「分かってるって。だから返すつもりだったのよ」
それ以上、電話口で何を言えばいいのか分からなかった。
受話器を置いてから手帳を開くと、そこにはお祝いをくださった親戚の名前が並んでいた。息子のために包んでもらったお金が、知らないうちに使われていた。そのことへの戸惑いと、親戚への申し訳なさが入り混じった。
義母の前で、夫が変えなかった口調
その日の夜、帰宅した夫に事情を話した。
「…母さんが使ったの?」
「うん。少し借りただけで、返すつもりだったって」
夫は何も言わず、手帳に並んだ親戚の名前をしばらく見ていた。
やがて、小さく息を吐いた。
「明日、実家に行こう。俺から話すよ」
翌日、私も一緒に義母の家へ向かった。
居間で向かい合って座ると、夫は声を荒らげずに聞いた。
「母さん、親戚からの入学祝いを使ったの?」
義母は少し困った顔をした。
「だから、ちょっと借りただけなのよ。返すつもりだったんだから」
夫は膝の上で手を組んだまま言った。
「返すつもりだったのは分かった。でも、あれは息子のためにみんなが包んでくれたお金だよ。使うなら、少なくとも俺たちに話してほしかった」
義母はしばらく黙っていた。
「…悪かったよ。勝手に使ったのは」
夫はそこで初めて少し表情をゆるめた。
「来月までに戻してほしい」
「分かった。来月までには返すよ」
夫はそれ以上、義母を責めなかった。
翌月の初め、義母がうちを訪ねてきた。手には白い封筒を持っていた。
「これ、この前のお祝い。全部入ってるから確認して」
夫が中を見ると、お祝いは全額そろっていた。
「うん。ありがとう」
義母は少し気まずそうにしてから、「勝手に使って悪かったね」と言って帰っていった。
夫はその後、お祝いを息子名義の口座へ入れた。
それからは、親戚からいただいたお祝いは私と夫で管理するようになった。
義母が返してくれたことでお金の問題は片づいた。それでも、誰かが子どものために託してくれたものは、たとえ身内であっても曖昧に預けてはいけないのだと、私たち夫婦にとって忘れられない出来事になった。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














