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2026.09.22(Tue)

「もしかして、待ってたんですか?」昼休みに個人的な質問を重ねた同僚。退勤後の駐輪場で返ってきた答え

「もしかして、待ってたんですか?」昼休みに個人的な質問を重ねた同僚。退勤後の駐輪場で返ってきた答え

空いている席はいくらでもあった

三十代の僕には、顔と名前が一致する程度の同僚がいる。朝や帰りに会えば会釈をするくらいで、同じ仕事を担当したこともない。向こうのことは、ほとんど何も知らなかった。

その日の昼休み、僕は休憩室の窓際で一人、パンを食べていた。空いている席はいくらでもあったのに、その同僚は隣の椅子を引いた。

「ここ、いいですか?」

「あ、はい。どうぞ」

しばらくして、同僚がふいに聞いてきた。

「休日は何してるんですか?」

「寝てるか、買い物に行くくらいですよ」

「へえ、そうなんですね」

そこで話は終わると思った。ところが少し間を置いて、また同じことを聞かれた。

「休日は何してるんですか?」

僕は思わず相手の顔を見た。

「えっと……さっき言った通りです。特に何もしてないですよ」

「ああ、そっか。そうでしたね」

同僚は笑っていたが、聞き間違えたのか、それとも別の答えを期待していたのか、僕には分からなかった。

そのあとも「家族って何人なんですか?」と聞かれた。

「そのへんは、まあ…普通ですよ」

曖昧に返したのに、少しして「何人なんです?」と重ねられた。

「すみません。あんまり職場でそういう話、しないので」

そう言って笑うと、同僚は「あ、そうですよね」と引き下がった。

僕も「そろそろ戻ります」と席を立ったが、なぜ急にそこまで個人的なことを知りたがるのか、少し引っかかった。

帰ろうとすると、またそこにいた

その週、仕事を終えて駐輪場へ下りると、出入口の近くにその同僚が立っていた。

僕に気づくと、顔を上げた。

「あ、お疲れさまです。今帰りですか?」

「はい。お疲れさまです」

その日は偶然だと思った。

ところが翌日も、その翌日も、退勤して駐輪場へ向かうと同僚がいた。定時で出た日も、少し遅くなった日も同じだった。

三日目、僕を見るなり同僚がスマートフォンをしまった。

「あ、やっと来た」

その言葉に、僕は足を止めた。

「……もしかして、待ってたんですか?」

同僚は少し困ったように笑った。

「まあ……せっかくだから、一緒に帰れたらと思って」

「すみません。僕、一人で帰ります」

思ったよりはっきりした声が出た。

同僚は一瞬黙り、それから「ああ、そうですよね。ごめんなさい」と小さくうなずいた。

これで終わると思っていた。

けれど次の日の夜、帰る前に廊下の窓から駐輪場を見ると、出入口のそばにまた見覚えのある姿があった。

同僚は、それ以上何かをしてくるわけではない。職場ですれ違えば、以前と同じように「お疲れさまです」と会釈をしてくる。

僕も同じように返している。

それでもあの日以来、退勤時間が近づくと、駐輪場へ下りる前に窓から外を確認するようになった。

今夜もそこにいるのではないか。そう考えてしまう自分がいる。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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