「1年前にも相談したのですが」毎朝9時から響く上階の低音。1か月分の記録を伝えた私に、不動産会社が返した言葉
送信済みに残っていた1年前のメール
夜9時、天井から響いていた低い音がようやく止まりました。
私はパソコンを開き、送信済みのメールをさかのぼりました。
不動産会社に上の階の音について相談したメールは、ちょうど1年前の日付で残っています。
一人暮らしのこの部屋では、毎朝9時ごろになると、上の階から音楽の低音のような響きが聞こえてきます。
曲までは聞き取れません。ただ、ドン、ドンという重い音だけが床や天井を通して伝わり、夜9時ごろまで続いていました。
1年前のメールにも、その状況を書いていました。
返事は「確認いたします」という内容でしたが、その後、連絡はありませんでした。
「やっぱり、もう一度ちゃんと伝えよう」
そう決めた私は、翌日から音が聞こえた日と時間をノートに残し始めました。
朝9時ごろに始まり、夜9時ごろに止まる。同じような記録が1か月分たまっていきました。
電話で伝えた1か月分の記録
平日の昼、私はノートを手元に置いて不動産会社へ電話をかけました。
「本日は、どういったご用件でしょうか」
担当者に聞かれ、私はできるだけ落ち着いて話しました。
「上の階から聞こえる音のことで、1年前にも相談したのですが…今も続いているんです」
少し待つと、担当者が記録を確認してくれました。
「……こちらにも1年前のご相談が残っています。対応できていなかったようです。申し訳ありません」
「責めたいわけではないんです。ただ今回は、1か月分、音がした日と時間を書いてあります」
「でしたら、送っていただけますか。確認したうえで上の階の方へお伝えします」
私はノートの記録を撮影して送りました。
それから1時間ほどして、担当者から折り返しの電話がありました。
「上の階の方にも確認しました。最初は『音楽は流していない』とおっしゃっていて、同じことを2度お話しになったのですが…」
「そうですか」
「こちらでいただいた記録についてもお伝えしました。重い音が下の階まで響いているため、音量や時間帯に配慮していただきたい、とお願いしています」
「相手の方は、何と?」
「少し間があってから、『気をつけます』とおっしゃっていました。記録があったので、状況を具体的にお伝えできました」
その日の午後から、天井から響く低音は、はっきり小さくなりました。夜になってもかすかに聞こえる程度で、本を読んでいて手を止めるほどではありません。
週末、ゴミ置き場で上の階の人と顔を合わせました。相手は一瞬こちらを見ると、小さく頭を下げ、そのまま階段を上がっていきました。
夜9時を過ぎたころ、私は窓を少し開けました。外から入ってくる風の音を聞きながら、しおりを挟んだままになっていた本の続きを、久しぶりに落ち着いて読むことができました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














