「ほら、空いてるから先に行っちゃいな!」すべり台の列に割り込んだ母親。だが、3歳くらいの息子が取った行動に言葉を失う
順番を待つ小学生の前に割り込んだ母親
秋の休日の午後、近所の大きめの公園へ散歩に出かけました。
園内をひと回りしたあと、人気の大きなすべり台が見えるベンチのそばで足を止めました。
すべり台の階段の下には、小学生くらいの子どもたちが並んでいました。
前の子が滑り終わると、次の子が階段をのぼっていきます。大人が注意しなくても、みんなきちんと順番を守っていました。
そこへ、3歳くらいの男の子の手を引いた、30代前半くらいの母親がやってきました。
母親は列をちらっと見ると、最後尾には向かわず、そのまま階段の先頭へ歩いていきました。
そして、ちょうど手すりに手をかけた小学生の腕を、自分の手で横へ押しやったのです。
「ほら、空いてるから先に行っちゃいな!」
突然のことに、押された子は驚いた顔で母親を見上げていました。
すると、列の中ほどにいた小学生が声をかけました。
「あの、ここ並んでるんですけど…」
母親は振り返ると、少し強い口調で言いました。
「この子、まだ小さいんだから。先に滑らせてあげてよ」
「一回だけなんだし、いいでしょ?」
そう言われると、小学生たちはそれ以上何も言えなくなってしまいました。
近くにいた保護者たちも困ったような表情をしていましたが、誰も声をかけません。
私も、どうしたらいいのか分からず、ただ見ていることしかできませんでした。
母親の手を離して歩き始めた男の子
そのとき、母親に前へ促されていた男の子が、並んでいる小学生たちを振り返りました。
しばらく列を見つめたあと、母親の手をそっと離しました。
「ぼく、ならぶよ」
そう言うと、階段とは反対の方向へ歩き始めたのです。
母親は一瞬、何が起きたのか分からないような顔をしていました。
男の子は列の横をとことこと歩き、最後尾までたどり着くと、前の子の後ろにちょこんと並びました。
「あ、ちゃんと並んだ」
近くにいた小学生がつぶやき、何人かが男の子のほうを振り返りました。
母親は何か言いかけたようでしたが、結局何も言いませんでした。
少ししてから男の子のところへ歩いていき、黙ってその後ろに並びました。
その間に、先ほど腕を押された小学生は手すりをつかみ直し、階段をのぼり始めていました。
列の前のほうにいた子が、男の子に向かって声をかけました。
「えらいね!」
「ちゃんと並んでるね」
男の子はうれしそうに笑い、手を振り返していました。
一方、母親はその後ろで、うつむいたままでした。
大人に注意されたわけでもないのに、自分から列の最後尾へ向かった男の子。
母親が何を思ったのかは分かりません。ただ、幼い男の子が迷わず順番を守ろうとした姿が、私にはとても印象的でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














