「だから、あれだよ。短いやつ!」商品を指定せず店員を責める客。会計後の理不尽な要求に、他の客が思わず声をかけた
「短いやつ」としか言わない男性客
まだ学生だったころ、私は夜のコンビニでアルバイトをしていました。
その日は店内のお客さんも少なく、比較的落ち着いた時間帯でした。
そこへ、一人の男性客が入ってきました。
男性はまっすぐレジに来ると、私のうしろにあるタバコの棚を指しました。
「あれ、短いやつ」
棚には似たような箱がいくつも並んでいます。
どれを指しているのか分からず、私は尋ねました。
「すみません、何番でしょうか?」
「だから、あれだよ。短いやつ!」
男性はもう一度棚を指しましたが、どの商品なのか判断できません。
「こちらですか?」
私が箱を一つ手に取って見せると、男性は顔をしかめました。
「違うって!そんなことも分からないでレジ立ってんのか!」
突然の大声に驚き、私は思わず頭を下げました。
「申し訳ありません。こちらでしょうか?」
別の商品を指さすと、男性はようやくうなずきました。
「それだよ。最初から分かれよ」
何とか会計を終えたころには、ほかのお客さんもレジに並び始めていました。
レシートをめぐる理不尽な一言
会計が終わり、男性が商品を受け取ったときのことです。
「おい、レシートは?」
「あ、失礼しました。こちらです」
私がレシートを差し出すと、男性はそれを受け取り、また不機嫌そうな顔をしました。
「何だよ。そんな押し付けるみたいに渡すなよ」
「すみません…」
すると男性は、さらに声を荒らげました。
「そもそも渡せなんて言ってないだろ。ちゃんと謝れよ!」
私は戸惑いました。
ついさっき、男性自身がレシートを求めたはずです。それなのに、今度は渡したことを責められています。
何と答えればいいのか分からずにいると、男性のうしろに並んでいた女性客が口を開きました。
「あの、すみません」
男性が振り返ります。
「今、ご自分で『レシートは?』って聞いてましたよね?」
男性は黙ったまま女性を見ています。
「私にも聞こえてましたよ。店員さんは、聞かれたから渡したんじゃないですか?」
女性は声を荒らげることなく、落ち着いた口調でそう言いました。
男性は一瞬何か言いかけましたが、結局何も言い返しませんでした。
そして、小さく舌打ちをすると、レシートを握ったまま店を出ていきました。
男性がいなくなると、女性客はカウンターに買い物かごを置きました。
「大変でしたね。気にしなくていいですよ」
「ありがとうございます。本当に助かりました」
私は深く頭を下げました。
男性に怒鳴られている間、怖くて何も言い返せませんでした。
それだけに、女性客が間に入ってくれたことが本当にありがたかったです。
あのときの落ち着いた声は、今でも覚えています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














