「そんなにラテ飲めるかなあ」慣れないレジでラテを3杯分も入力した私。怒られると思った直後、男性客が見せた反応
慣れないレジと、突然のサイズ変更
カフェでアルバイトを始めて間もないころ、私はレジに立つのが苦手でした。
メニューは少しずつ覚えてきたものの、レジの操作にはなかなか慣れません。
先輩たちが手際よく注文を入力する横で、私はいつも画面を見つめながら、慎重にボタンを押していました。
そんなある日の昼、穏やかそうな男性のお客さんがカウンターにやってきました。
「ラテをひとつお願いします」
「ありがとうございます。店内でお召し上がりですか?」
「持ち帰りで。あ、すみません。やっぱり大きいサイズにしてもらえますか?」
「はい、かしこまりました」
そう答えたものの、私はサイズ変更の操作をまだ教わっていませんでした。
とりあえず、大きいサイズのラテを選んでみると、画面には新しい注文が追加されました。
ところが、最初に入力したラテも残っています。
「あれ、こっちを消さないと…」
慌てて取り消そうと画面を操作したところ、間違えてラテの商品ボタンをもう一度押してしまいました。
気づけば、画面にはラテが3杯分。
「えっ……なんで増えちゃうの?」
思わず小さな声が漏れました。
男性の後ろには、ほかのお客さんも並び始めています。
早くしなければと思うほど焦ってしまい、どこを押せばいいのか、ますます分からなくなってしまいました。
「そんなにラテ飲めるかなあ」と笑った男性
とうとう自分では直せなくなり、私は男性に頭を下げました。
「すみません……。操作を間違えて、ラテが3杯分入ってしまって……」
すると男性は一瞬きょとんとして、すぐに小さく笑いました。
「あれ、僕、そんなにラテ飲めるかなあ」
思いがけない返事に、私は顔を上げました。
男性は怒るどころか、冗談を言って笑ってくれていたのです。
それでも、お待たせしている申し訳なさでいっぱいでした。
「本当にすみません。すぐに直しますので……」
「大丈夫ですよ。急がなくていいので、直してもらえますか」
そのとき、奥から先輩が来てくれました。
事情を伝えると、先輩は私の横で取り消しの手順を一つずつ教えてくれました。
言われたとおりに操作すると、ようやく余分な注文が消え、大きいサイズのラテ1杯分になりました。
無事に会計を終え、正しいレシートをお渡しできたときには、心の底からほっとしました。
そして、ラテのカップを男性に手渡しながら、もう一度頭を下げました。
「お待たせしてしまって、本当にすみませんでした」
すると男性は、にっこり笑って首を横に振りました。
「一生懸命やってくれてありがとう」
そして、帰り際にもう一言。
「頑張ってね」
怒られても仕方がないと思っていた私は、その言葉を聞いて胸がいっぱいになりました。
男性の背中を見送ると、後ろに並んでいたお客さんも、くすっと笑っていました。
私もようやく緊張が解け、自然と笑顔になっていました。
あの日以来、レジで失敗しそうになっても、以前ほど焦らなくなりました。
今でもラテの注文が入ると、画面に3杯分も並んでしまったあの瞬間と、男性の優しい笑顔を思い出します。
不器用な新人だった私にとって、あの「ありがとう」は、何よりうれしい励ましの言葉でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














