「タダで住ませてる。嫌なら出て行け」叔父の前で、家賃は一円ももらってないと言い張る義父。思わず走った理由
二階で親戚の集まりを
叔父さんの前で、お義父さんが集まりは二階でやると決めました
「来月の集まりは、二階でやるぞ。」
ちゃぶ台の向こうで、お義父さんが言い出しました。
二世帯住宅の一階にある居間でのことです。9月の夕方でした。
結婚して4年、私たち夫婦は二階に住んでいます。
一階には、お義父さんとお義母さんが暮らしています。
今日は、来月の親戚の集まりについて相談するため、お義父さんの弟である叔父さんが来ていました。
叔父さんが訪ねてきてから、私は居間で二人にお茶を出していました。
二階は私たち夫婦の生活スペースです。親戚が20人も上がれば、準備や片づけだけで週末がつぶれてしまいます。
「二階は、困ります。」
お義父さんは、家賃は一円ももらってないと言い切りました
そう言ったとたん、お義父さんの声が大きくなりました。
「タダで住ませてる。嫌なら出て行け。」
「家賃は一円ももらってない。」
叔父さんは湯のみを手にしたまま、「兄さん、えらいねえ」とうなずきます。
嫁からは一度も受け取ってないと、お義父さんは続けました
お義父さんは、ときどき廊下のほうへ目をやりながら続けました。
「嫁からは一度も受け取ってない。」
「二階は、俺の好きに使う。」
私は毎月きちんと家賃を払っています。
しかし、その場ですぐに支払いを証明できるものはありません。
事情を知る夫とお義母さんも、出張と買い物で留守にしていました。
私は畳の一点を見つめたまま、その場に立っていました。
叔父さんが帰る前に
叔父さんを送ろうと、私は入口の横でひと言伝えました
「そろそろ帰るよ」と、叔父さんがちゃぶ台の奥で立ち上がりました。
お義父さんは、叔父さんに向かってさらに言いました。
「二階の電気代まで俺が持ってる。」
私は叔父さんを玄関まで見送ろうと立ち上がりました。そして、居間の入口から、お義父さんにいつもどおりひと言だけ伝えました。
「今月の分も、いつもの所に。」
お義父さんは自分で、玄関の下駄箱の上の封筒を取り上げました
お義父さんが、はじかれたように立ち上がりました。
私と叔父さんを追い越して廊下へ出ると、慌てて玄関へ走っていきます。
下駄箱の上には、白い招き猫の置物があります。その横に置かれた白い封筒を、お義父さんは急いで取り上げました。
その日は25日でした。
結婚してから毎月25日の朝、私は家賃の6万円を封筒に入れて、ここに置いてきました。
封筒の表には、毎回「二階の家賃 6万円」と書いています。
『手渡しはいらん。下駄箱の上に置いとけ』と決めたのも、いつも夜のうちに封筒を持っていくのも、お義父さんです。
慌てて封筒を取り上げた拍子に、表に書かれた文字がこちらを向きました。玄関まで追いかけてきた叔父さんにも、その文字が見えていました。
「町内会の金に決まってる!」
「下駄箱とは、言っていません。」
私が言ったのは『いつもの所』だけです。嫁から一度も受け取っていないと言い張る人が、どうして封筒の置き場所を知っているのでしょうか。
お義父さんは封筒を背中に隠し、出て行けを取り消しました
叔父さんは、お義父さんが握っている白い封筒に目を止めて、「兄さん、家賃もらってたのか」とつぶやきました。
お義父さんは、封筒を背中に隠しました。
「……出て行けは、取り消す。」
「集まりは、下でやる。」
叔父さんが靴を履いて出ていくまで、お義父さんは背中に隠した封筒を、一度も前へ出しませんでした。
※本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














