「じゃあ、今日も半分ずつね」外食では必ず割り勘にする義母。お金持ち自慢を聞いていた夫が、伝票を引き寄せた理由
実家と義実家の、会計の違い
私の両親は、一緒に外食すると、たいてい何も言わずに会計を済ませてくれます。
一方、夫の両親と食事や買い物に出かけると、支払いはいつも半分ずつでした。
もちろん、私たちも大人です。
親にごちそうしてもらうのが当たり前だとは思っていません。
義両親から何かをねだられたこともありませんし、私も義実家を訪ねるときには、季節に合った手土産を用意していました。
ただ、義母と食事をすると、毎回のように気になることがありました。
それは、お金に余裕があるという自慢話です。
ある日、レストランで食事をしていたときも、義母は向かいに座る私に話しかけてきました。
「うちはね、お金のことで困ったことがないのよ」
「この前の旅行も、いちばんいい部屋にしたの」
隣に座る義父は静かにうなずいています。
「そうなんですね。いいですね」
私が相づちを打つと、義母は続けました。
「あなたのご実家は、そういう旅行はしないの?」
「ああ、うちは…どうでしょうね」
何と答えようか迷っていると、店員さんが伝票を置いていきました。
義母は金額を確認すると、いつものように言いました。
「じゃあ、半分ずつでいいわよね」
割り勘にすること自体は、何もおかしくありません。
それでも、あれだけお金に余裕があると話していたのに、会計はきっちり半分なのだな、と複雑な気持ちになりました。
そんなとき、何も言わずにごちそうしてくれる自分の両親を思い浮かべてしまいます。
比べるのはよくないと分かっていても、どうしても気になってしまうのでした。
夫が伝票を引き寄せた昼
別の日の昼、私たちはまた義両親とレストランで食事をしていました。
私の隣には夫が座り、向かいには義母と義父が並んでいます。
食後のコーヒーが運ばれてくると、義母は新しく買ったバッグの話を始めました。
「これ、最近買ったの。欲しいものはあまり我慢しないのよ。うちは余裕があるから」
「へえ、そうなんだ」
夫が短く返すと、義母は満足そうに笑いました。
やがて伝票が届き、義母はいつものように口を開きました。
「じゃあ、今日も半分ずつね」
すると、夫が伝票を自分のほうへ引き寄せました。
「それなら、今日はごちそうしてよ」
「え?なに言ってるの、急に」
義母は驚いたように笑いました。
「いや、いつもお金には余裕があるって言ってるからさ。たまにはごちそうしてもらってもいいかなって」
「でも、いつも半分ずつでしょう?」
「うん。別に割り勘が嫌なわけじゃないよ」
夫はそう言ってから、少し間を置いて続けました。
「ただ、俺たち、妻の実家ではいつもごちそうになってるだろ。こっちに来るときだって、妻が毎回手土産を用意してくれてるし」
「……そうだけど」
「だから、今日くらいはお願いしてもいいかなと思ってさ」
義母は何か言いかけましたが、そのまま黙ってしまいました。
すると、隣にいた義父が軽く咳払いをしました。
「まあ、いいじゃないか。今日はうちで払うよ」
義母は義父のほうを見ましたが、何も言いませんでした。
そのあとは少し気まずい空気になり、みんな静かにコーヒーを飲み終えました。
私は夫が突然そんなことを言い出したので、正直驚きました。
でも、普段の義母とのやり取りや、私が手土産を用意していることを、ちゃんと見ていてくれたのだと思うとうれしかったです。
あれ以来、義母からお金持ちの自慢話を聞くことはほとんどなくなりました。
今でも伝票が届くと、義母はうつむいたまま、義父のほうへそっと目を向けます。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














