「300万円あったら、世界一周できたね」禁煙後にタバコ代を計算した僕。その後、メモを見た妻の一言に思わず苦笑い
帰り道に立ち寄るコンビニ
仕事帰りにコンビニへ寄り、タバコを1箱買う。
それが長年、僕の日課でした。
いつも同じ時間帯に立ち寄るので、顔なじみの店員も僕が何を買うのか覚えていました。
「こんばんは。いつものですか?」
「はい、お願いします」
そんなやり取りをして店を出るのが、毎日の習慣になっていたのです。
タバコを吸い始めたのは、20歳の大学生のころ。
それ以来、1日1箱のペースで吸い続けていました。
帰宅後、ベランダに出て一服するのも楽しみの一つでした。
夜の静かな時間にタバコを吸っていると、仕事の疲れが少し和らぐような気がしたものです。
ただ、タバコの値段は年々上がっていました。
ある晩、レシートを片づけていた妻から、こんなことを言われました。
「最近、タバコ高くなったんじゃない?」
「そうだね。でも、まあ仕方ないよ」
「毎日買ってたら、結構な金額になるでしょ」
「1日400円くらいだし、そんなに気にしてないよ」
妻は「そう?」と返しましたが、僕は特に深く考えませんでした。
毎日の出費としては大した金額ではない。ずっとそう思っていたのです。
計算して初めて気づいた金額
そんな僕がタバコをやめたのは、ある年の冬でした。
寒いベランダに出るのがおっくうになり、タバコを買わない日が続いたことがきっかけです。
そのまま吸わなくなり、いつの間にか仕事帰りにコンビニへ寄ることもなくなりました。
禁煙してしばらくたったある夜、居間のテーブルにあった電卓を見て、ふと思いました。
「そういえば、今までタバコにいくら使ったんだろう」
何となく気になり、メモ用紙に数字を書き出してみました。
1日400円として、365日で14万6000円。
それを20年近く続けていたと考えると、単純計算で300万円近くになります。
もちろん、昔からずっと同じ値段だったわけではありません。それでも、予想していたよりずっと大きな金額でした。
「えっ、300万近くになるのか…」
思わず電卓を打ち直しましたが、計算結果は変わりません。
1日400円なら大したことはないと思っていたのに、積み重なるとこんな金額になるのかと驚きました。
そのままメモをテーブルに置いていると、洗い物を終えた妻が台所から戻ってきました。
「何計算してたの?」
「昔のタバコ代。ちょっと気になってさ」
妻はメモをのぞき込み、数字を見て目を丸くしました。
「えっ、こんなに使ってたの?」
「僕もびっくりしたよ。毎日だと結構な額になるんだね」
すると妻は少し笑って、こう言いました。
「300万円あったら、世界一周できたね」
「いやあ、そう言われると、もったいなかった気がしてくるな」
「まあ、もうやめたんだからいいけど」
そう言ってから、妻はもう一言付け加えました。
「今からでも、貯めてくれていいのよ」
「はは、そうだね」
僕も笑うしかありませんでした。
昔使ったお金が戻ってくるわけではありません。それでも、やめてよかったと改めて思いました。
今でも、以前よく通っていたコンビニの前を通ると、妻の「世界一周できたね」という言葉を思い出します。
あのとき使ったお金が残っていたら、どんな旅行ができただろう。
そんなことを考えながら、少しだけ苦笑いしてしまうのです。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














