「言葉が通じない土地にひとり置き去り?」私を置いて家族と買い物に行った彼。だが、友人の一言で別れを決意
慣れない部屋にひとり残された午後
当時の彼は、故郷が日本ではない国の出身でした。
お付き合いを重ねた末に、初めて彼の実家を訪ねる機会が巡ってきたんです。
前夜はご両親が手料理で歓迎してくれて、片言ながら気持ちを伝え合う温かい時間を過ごしました。緊張していた肩が、ようやく少し下がったのを覚えています。
翌朝、彼は少し申し訳なさそうに「ちょっと買い物に行ってくる」と言って出かけました。
家族水入らずの時間も大事だろう、と素直に受け止めて、私はひとり実家でくつろがせてもらうつもりでいたんです。
ところが昼を過ぎても、彼は戻ってきません。
ご両親も外出されていて、家の中は静かなまま。慣れない椅子に座って窓の外を眺めながら、何度かメッセージを送りましたが、返信はぽつりぽつりとしか届きませんでした。
窓越しに見える景色は美しいのに、自分だけが時間から取り残されているように感じたのでした。
夕方になって、ようやく状況がわかりました。
彼は近所の買い物に出ていたのではなく、いとこの家族と合流して、家族水入らずで別の地域へ旅行に出かけていたのです。
日本へ電話して見つめ直した関係
(家族の時間が大切なのはわかる。でも、日本からわざわざ連れてきた相手を、言葉が通じない土地にひとり置き去りにして旅行?)
頭の中で何度も同じ問いを繰り返しても、納得できる答えは出てきません。
気持ちを落ち着けるために、日本にいる友人へ国際電話をかけました。
声を震わせながらここまでの経緯を話すと、向こうははっきりと声を上げました。
「大切にされてないんじゃないかな」
その断言に、わたしは息を呑みました。
続けて、「付き合わない方がいいよ、帰ってきな」と背中を押してくれたんです。
遠く離れた場所からの一言で、自分の中の輪郭がぐっと戻ってくるのがわかりました。
戻ってこない人を待ち続けて、寂しさを我慢する役を引き受け続けるのは違う。そう腹をくくれたのが、その電話の最中でした。
夜、ようやく連絡がついた彼に、私は感情を抑えてこう伝えました。
「家族水入らずで幸せに過ごしてください」
責める言葉も、嫌味も付け加えませんでした。ただ、自分はここに居続ける理由を見失った。
それだけはきちんと残して、関係に区切りをつけたんです。
翌日には荷物をまとめ、ひとりで帰路につきました。
空港のロビーで搭乗を待つ間、不安よりも先に、頭の中が静かに整理されていく感覚がありました。機内で目を閉じたとき、落ち込みよりも、すっきりした感覚のほうが大きかったのを覚えています。
自分を後回しにする関係に、これ以上時間を預けなくていい。そう実感できた旅でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














