妻「抱っこ代わってくれない?」→「無理。寝ないと仕事に響く」と育児丸投げの夫。3日間家を不在にして、帰ってきた結果
任せる、の正体
子どもが生まれて、私の生活は夜泣きとともに回り始めた。けれど夫は、何ひとつ変えようとしなかった。何を頼んでも、返ってくるのは決まり文句だった。
「俺は仕事してるんだから家は任せる」
口癖のように、夫はそう言った。夜中に泣き声が響いても、隣で寝返りを打つだけ。休日は昼過ぎまで起きてこない。
「ちょっとだけでいいから、抱っこ代わってくれない?」
「無理。寝ないと仕事に響くから」
「私は寝なくていいの?もう何日もまともに眠れてないの」
「それは要領の問題でしょ。上手くやればいいじゃん」
あっさり言い切られて、私は二の句が継げなかった。手伝ってほしいのではなく、ただ大変さをわかってほしかった。
それすら届かないことが、いちばんこたえた。
私が消えた三日間
ある日、私は黙って実家に身を寄せることにした。子どもを連れて、三日だけ。
夫には「数日いないから」とだけ伝えた。
「えっ、家のことは?俺、どうすればいいの」
夫の声が、明らかに上ずっていた。
「任せるって、いつも言ってるじゃない。要領よくやってね」
私はそう返して、家を出た。玄関を出る背中に、夫の戸惑った視線が刺さるのがわかった。
それでも、振り返らなかった。
実家でようやくぐっすり眠れた夜、スマホは静かなままだった。連絡をよこさないのは、まだ余裕があるからだろう。
たぶん、今ごろ得意げに洗濯でも回しているに違いないと。
玄関の向こうの惨状
三日後、家に戻ってドアを開けた。途端に、言葉を失った。
シンクは食器で埋まり、脱いだ服が廊下まで散乱している。空のペットボトルと総菜のパックが、足の踏み場をなくしていた。
カーテンも閉まったままで、部屋全体がどんよりしている。荒れた部屋の奥で、夫がばつの悪い顔をしていた。
「おかえり……」
目が合うと、夫はすぐに視線を落とした。それから、しばらく黙り込んで、ぼそりとつぶやいた。
「ごめん。一人じゃ、全然回らなかった」
いつも余裕ぶっていた顔が、すっかり青ざめていた。
「皿洗って、洗濯して、ってやってたら、それだけで一日終わるんだな」
私はやってほしいことを書いた紙を、黙って手渡した。ごみの曜日、おむつ替えの手順、夜中のミルクの作り方。
一日の段取りが、ひと目でわかるようにしてある。夫は文句ひとつ言わず、それを受け取った。
「要領が悪いとか、よく言えたよな」
あの見下した一言は、もう口から出てこなかった。次の朝から、夫はリストを片手におむつを替え、ミルクを作るようになった。
「これで合ってる?チェック入れていい?」
一つ終えるごとに紙にチェックを入れる後ろ姿を眺めて、私は静かに息をついた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














