「今度みんなでランチしましょ」と繰り返すママ友。週末、仲間外れにされていた事実
口ぐせのような誘い
「今度みんなでランチしましょ」
そのママ友は、会うたびにそう言っていました。
娘が小学三年生のとき、同じクラスの子と、そのご近所の子と、三人でよく遊んでいた時期のことです。
親どうしも仲がよく、家を行き来する間柄でした。
だから私は、その「今度」を、いつも本気で楽しみにしていたのです。
ところが、その約束が形になることは、なかなかありませんでした。
ある月曜日、娘が学校から帰るなり、はずんだ声で教えてくれました。
「あの子たち、日曜に遊園地に行ったんだって」
娘をのぞく二人が、母子そろって有名なテーマパークへ出かけていた。娘は少しうらやましそうでした。
「わたしも一緒がよかったな」
「そっか。楽しかったなら、よかったね」
そう返すのが精一杯で、私は言葉に詰まってしまいました。
笑顔のまま渡された袋
もやもやしたまま数日を過ごしていると、そのママ友が、いつもの調子で声をかけてきました。
「お土産、買ってきたの。はい、どうぞ」
「子どもたち、すごく楽しんでたのよ」
差し出されたのは、テーマパークのお菓子でした。
悪びれた様子はまるでありません。私は袋を受け取りながら、小さく頭を下げました。
「ありがとう。気をつかわせちゃって、ごめんね」
すると彼女は、別れぎわに、また同じ言葉を口にしたのです。
「今度みんなでランチしましょ」
その「今度」は、いつになったら来るのでしょう。
喧嘩をした覚えはありません。うちが遠出を渋る家だと思われる理由も、思い当たりませんでした。座席の都合なら、現地集合という手もあったはずです。
考えられる理由を、私は一つずつ数えてみました。けれど、どれもしっくりきません。結局、誘われなかった理由は分からずじまいで、ランチの約束も、社交辞令のまま消えていきました。
その後、私たちの付き合いは、静かに間遠になっていきました。
相手を責める気にはなれず、かといって、これまで通りに笑い合うこともできなくなっていたのです。
気づけば、十年以上の月日が流れました。娘は立派に働いています。
今でもあの遊園地の話がよぎると、心のどこかが小さくうずきます。あの人は、どんなつもりだったのか。いくら考えても、たどり着けません。
それでも、と思うのです。娘はその後、本当に気の合う友だちと出会えました。
私にも、無理なく付き合える人が、ちゃんとそばにいてくれます。
答えの出ないことに、いつまでもとらわれずにいよう。あの母子と離れたことを、私は不思議と、惜しいとは思っていません。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














