「とりあえず払っといて、後で返す」一度も返したことない彼。半年後、彼とお店に行った時に別れを決意
車に戻ると忘れている
週末の外食は、いつも同じ流れで終わりました。伝票を持って立ち上がるのは私で、彼はスマホを見ながらあとをついてきます。
「とりあえず払っといて、後で返す」
レジの前でそう言われて、私がまとめて払う。車に戻る頃には、彼はもうその話をしていません。
「来週どこ行こうか」
「その前に、さっきの」
「あ、うん。今度ね」
その今度が来ないまま、また次の週末になりました。最初の頃は、こちらも気にしていませんでした。次に会ったときに渡してくれるのだろうと思っていたんです。
ひと月に4回ずつ
決済アプリの履歴を開いたのは、なんとなくでした。同じ店の名前が、ひと月に4回ずつ並んでいました。
一回あたり2000円前後。合計を出したら、半年で5万円近くになっていました。
彼と交わした約束の数だけ、数字が増えていた計算になります。
レジの前で待った
その週末、私は伝票を持たずにレジに並びました。
「ごめん、今日は自分のぶんだけにするね」
「え、なんで急に」
「半年で5万円、まだ返ってきてないから」
彼の視線がレジのほうへ動きました。
後ろの列は少しずつ伸びています。
ため息をひとつついてから、彼はようやく財布を開きました。
出てきたのは、角の擦れたカードでした。端末に当てると、支払いは一度で通っています。
「今出せないだけで、忘れてたわけじゃないんだよ」
そう言いながら、彼はもう一度、財布の中をのぞき込んでいました。
「細かいのしかないって、毎回言ってたよね」
彼は財布を閉じて、何も答えませんでした。
後ろに並んでいた人が、伝票を持って一歩前に出ます。
店を出るまでのあいだ、彼は一度も顔を上げませんでした。
「返す気、最初からなかったでしょ」
「そんな言い方しなくてもいいだろ」
「言い方の話じゃないよ。半年、待ったんだから」
駐車場で別れて、その日を最後にしました。
あとから一度だけ、まとめて返すという連絡が来ましたが、金額には触れていませんでした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














