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2026.08.24(Mon)

「なんでレジ開けないの?」レジの列で怒鳴り散らしていた客。だが、他の客の言葉に救われた瞬間

「なんでレジ開けないの?」レジの列で怒鳴り散らしていた客。だが、他の客の言葉に救われた瞬間

開いているレジは、ほんの数台だった

その日のスーパーは、いつもより混んでいた。レジの前には長い列ができていて、私はカゴを抱えたまま、その真ん中あたりで順番を待っていた。

いくつもあるレーンのうち、開いているのは2〜3台だけ。ほかのレーンは灯りが消えたままだった。

列は少し進んでは止まり、また少し進む。私も「今日は時間がかかりそうだな」と思いながら、前の人についていった。

すると、前のほうから突然、大きな声が聞こえた。

「ちょっと、こんなに並んでるのに、なんでレジ開けないの?」

声を上げていたのは、カゴを持った男性だった。何度も前をのぞき込んでいたので、待ち時間にかなり苛立っていたのだと思う。

「もうずっと待ってるんだけど。もう一台くらい開けられないの?」

レジの店員は商品を通す手を止めず、男性のほうを見て答えた。

「お待たせして申し訳ありません。今は、ほかのレジを開けることができなくて……」

「いや、だからさ。こんなに人が並んでるんだよ?見れば分かるでしょ」

男性の声は、さらに大きくなった。

店員は困ったような表情を浮かべながらも、「申し訳ありません」と短く答え、目の前の商品を通し続けていた。

「謝ってほしいんじゃないんだよ。早く何とかしてって言ってるの」

男性がそう言うたび、周囲の人たちは気まずそうに視線をそらしていた。

私も内心では「店員さんに言ってもどうにもならないんじゃ……」と思ったが、間に入る勇気はなかった。

「みんな同じように待ってますよ」

そのとき、男性より数人後ろに並んでいた人が、少しためらうように声をかけた。

「あの……並んでいるのは、店員さんのせいじゃないですよ」

男性が振り返った。

「は?」

一瞬、空気が張りつめた。

けれど、その人は言い争うような口調にはならなかった。

「私たちも待ってますし。店員さんに怒っても、レジが開くわけじゃないと思います」

少し間を置いてから、さらに静かに続けた。

「みんな同じように待ってますよ」

男性は何か言おうとして、「いや、でも……」と口にした。

しかし、その先の言葉は続かなかった。

ちらりと周囲を見回したあと、「……もういいよ」と小さくつぶやき、前を向いた。

それからはカゴを持ったまま、黙って自分の順番を待っていた。

誰かが男性を言い負かしたわけではない。閉まっていたレーンが開いたわけでもなく、列が急に短くなったわけでもなかった。

それでも、さっきまでレジ前に響いていた怒鳴り声がなくなると、周囲の空気は少しだけ落ち着いた。

やがて私の番が来た。

カゴを台に置くと、店員が「お待たせしました」と少し疲れたような声で言った。

「いえ、大丈夫です」

私がそう返すと、店員は小さく頭を下げた。

ほんの数分前まで張りつめていたレジ前も、そのころにはいつものスーパーの風景に戻っていた。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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