「もう乗れたんだから、いいの」ロープウェイの列に横から入った家族。発車後に聞こえた言葉にモヤモヤしたワケ
三十分並んで待ったロープウェイ
家族で山へ出かけたときのことです。山頂へ向かうロープウェイは混雑していて、乗り場には三十分待ちの表示が出ていました。
息子は列に並んだときから、何度も同じことを言っていました。
「1番前に座りたい」
「空いていたらね。みんな並んでいるから、順番だよ」
前方の席は景色がよく見えるので、子どもたちには人気があるようでした。私たちの前後にも家族連れが何組か並んでいます。
列が乗車口の近くまで進んだころ、大人二人と子ども二人の家族が横からやってきました。
その家族は最後尾へ向かわず、乗車口の横にある柵の切れ目付近で立ち止まりました。
近くにいた係員が気づきます。
「最後尾は、坂を下りたところになります」
大人の一人は列のほうを見ましたが、その場から動きません。
係員がもう一度最後尾を示したところで、ちょうどゴンドラが到着しました。扉が開き、係員は降りてくる乗客の誘導に向かいます。
扉が開くと、横から入っていった
乗客が降り終わり、私たちの列も前へ進み始めました。
そのときです。
横で待っていた家族が、人の流れに合わせるように乗車口へ入り、そのままゴンドラの中へ進んでいきました。
先頭にいた人たちも一瞬足を止めましたが、後ろからは次々に乗客が進んできます。
家族は空いていた前方へ行き、子ども二人を窓際に座らせました。
息子はその様子を黙って見ていました。
私たちが乗ったころには前方の席は埋まっていて、少し後ろに立つことになりました。
「ここからでも見えるよ」
そう言うと、息子は大人の肩の隙間から窓の外をのぞきました。
発車してから聞こえた言葉
扉が閉まり、ゴンドラがゆっくり地面を離れました。
しばらくして、前に座った子どもの声が聞こえてきました。
「さっき、みんな並んでたよ」
すると、大人が小さな声で答えました。
「もう乗れたんだから、いいの」
私は思わず前を見ました。
列があることに気づいていなかったわけではなさそうです。ただ、なぜ最後尾へ行かなかったのか、本当の理由までは分かりません。
そのとき、息子が私の袖を引きました。
「ぼくたちは、並んだよね」
「うん。ちゃんと並んだよ」
そう答えると、息子は小さくうなずきました。
最前列には座れませんでしたが、ゴンドラが高くなるにつれて山や谷が大きく見えるようになると、息子はすぐに景色に夢中になっていました。
楽しみにしていた席を取られて残念ではありました。それでも、息子にはこれからも、みんなが待っている場所では順番を守ることを当たり前だと思っていてほしい。そう感じた出来事です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














