「新しいのを持ってきて、それから代金も返して」定食に虫を見つけた男性客。困る店員に代わって店長が伝えたこと
隣の席で始まった交換と返金の話
仕事の昼休みに、よく通う定食屋で唐揚げ定食を食べていたときのことです。
昼どきの店内は、作業着姿の人や会社員でほとんどの席が埋まっていました。
隣に座っていた中年の男性客が、突然、若い店員を呼び止めました。男性の定食は、すでに半分以上食べられていました。
「ちょっと、これ。虫じゃないの?」
男性が皿を指さします。見ると、揚げ物の衣の上に小さな虫が乗っていました。
店員も皿を見て、表情をこわばらせました。
「申し訳ございません。すぐに新しいものをお作りします」
すると男性は首を振りました。
「いやいや、それだけ?料理を交換して、代金も返してよ」
「返金については、私では判断できないので…店長に確認してきます」
「じゃあ呼んで。こんなの見つけたら、もう気分よく食べられないでしょ」
店員が頭を下げて離れようとすると、男性はもう一度念を押しました。
「ちゃんと伝えてね。料理は交換、それと返金もお願いしたいって」
声が大きかったため、近くの席からも何人かがそちらを見ていました。
店長が伝えた店としての対応
しばらくして、事情を聞いた店長がやってきました。
「お待たせして申し訳ありません。お料理の件、伺いました」
男性はすぐに皿を指しました。
「虫がいたんだよ。新しいのを持ってきて、それから代金も返して」
店長は皿を確認してから、頭を下げました。
「ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません。新しいお料理はすぐにご用意します。ただ、交換したうえでの返金には対応できません」
男性は納得できない様子でした。
「でも虫がいたんだよ?それでも返金しないの?」
「申し訳ありません。今回はお料理を作り直す形で対応させてください」
店長は声を荒らげることもなく、静かにそう答えました。
男性はしばらく黙っていましたが、やがて椅子にもたれました。
「……分かった。じゃあ、作り直して」
「ありがとうございます。すぐにお持ちします」
ほどなくして新しい定食が運ばれてくると、男性はそれ以上何も言わず、食事を再開しました。
虫を見つけて嫌な気持ちになった男性の言い分も分からなくはありません。ただ、交換と返金の両方を強く求められ、困った表情をしていた若い店員も印象に残っています。
相手と言い争うのではなく、謝るところは謝りながら、店としてできる対応をはっきり伝える。店長の落ち着いた受け答えを見て、接客ではこうした線引きも必要なのだと感じた昼休みでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














