「ほら、ちゃんと安く書いてあるだろ!」スーパーのレジで店員を責め続けた男性。だが、売り場担当者の説明で勘違いが発覚
レジに表示された値段に怒り出した男性
夕方、夕食の材料を買いにスーパーへ立ち寄ったときのことです。
レジはどこも混んでいて、私も長い列の後ろに並びました。
すぐ前には、上着を腕にかけた男性が、商品をひとつ持って順番を待っていました。
ようやく男性の番になり、若い女性店員が商品のバーコードを読み取ったときです。
男性はレジの画面をのぞき込み、急に眉をひそめました。
「ちょっと待って。これ、値段が違うんじゃないか?」
「えっ、そうですか?少々お待ちください」
店員が画面を確認していると、男性は少しいら立った様子で続けました。
「さっき売り場で見たときは、もっと安かったぞ」
「申し訳ありません。売り場の担当者に確認してみますね」
「いや、ちゃんと値札を見たんだよ。なんでこんな値段になるんだ?」
男性の声は次第に大きくなり、近くにいた客も何事かと振り向き始めました。
店員はレジ横の受話器で売り場へ連絡を取りましたが、その間も男性は不満を口にしています。
「こっちは表示されてた値段で買おうとしてるだけなんだよ!」
「申し訳ありません。今、確認しておりますので……」
私の後ろにも列が伸びていきます。店員は何度も頭を下げながら対応していて、見ているこちらまで落ち着かない気持ちになりました。
値札の小さな文字を指さした担当者
しばらくすると、エプロンをつけた売り場の担当者が、商品の値札を持ってやってきました。
「お待たせいたしました。お客様がご覧になったのは、こちらの値札でしょうか?」
男性は札を見るなり、勢いよく指をさしました。
「そう、それだよ!ほら、ちゃんと安く書いてあるだろ!」
ところが、担当者は落ち着いた声で説明しました。
「こちらは2点お買い上げのときのお値段でございます」
そう言って、値札の隅に書かれた小さな文字を指さしたのです。
「……え?」
男性は一瞬言葉を失い、もう一度値札をのぞき込みました。そして、自分が持っているひとつの商品に目を落としました。
「……だったら、もっと分かりやすく書いといてくれよ」
「申し訳ございません。こちらに条件を記載しているのですが……」
担当者がもう一度表示を示すと、男性は何か言いかけたものの、結局それ以上は何も言いませんでした。
先ほどまでの大きな声が嘘のようです。
男性は黙って財布を取り出し、レジに表示されていた金額で会計を済ませました。そして商品を袋に入れると、足早に店を出ていきました。
担当者も店員に軽くうなずき、値札を持って売り場へ戻っていきます。
ようやく私の番になると、店員は少しほっとしたような表情で頭を下げました。
「大変お待たせいたしました」
私は「大丈夫ですよ」と返し、買い物かごをレジ台に載せました。
値札の条件を見落とすことは、誰にでもあるかもしれません。ただ、確認する前から店員を責めるのは違うのではないか。そんなことを考えながら、店をあとにしました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














