「後から来た人にあれこれ言われたくないね」深夜のラジオを注意しても聞かない男性。だが、住民4人で苦情を伝えに行った結果
明け方まで止まらないラジオの音
僕の家の寝室からは、近所の古い作業小屋が見えます。
その家は以前、車の整備をしていましたが、何年か前に店をたたんでいました。
ところが、いつからか作業小屋から夜通しラジオが流れるようになったのです。
夜中を過ぎても、明け方になっても、ラジオの音は止まりません。
小屋の明かりもついたままで、僕は布団に入ってもなかなか眠れない日が続きました。
近所の人たちも、気になっていたようです。
「お宅も聞こえます?あのラジオ」
「聞こえますよ。うちの子も起きちゃうことがあって」
向かいの家の奥さんも、困った様子で話していました。
寝不足が続き、さすがに限界を感じた僕は、ある日の夕方、その家を訪ねることにしました。
「すみません。夜のラジオのことでお願いがあるんですが」
「ラジオ?」
「寝室まで音が聞こえるんです。夜中だけでも小さくしてもらえませんか」
すると、主人は面倒そうな表情を浮かべました。
「うちの敷地で流してるんだ。何が悪い」
「でも、明け方まで聞こえていて……」
「こっちは昔からここでやってるんだ。後から来た人にあれこれ言われたくないね」
それ以上話を聞いてもらえず、玄関の戸を閉められてしまいました。
その夜も、ラジオは明け方まで鳴り続けました。
近所の人たちと一緒に訪ねると
一人でお願いしても難しいのかもしれない。そう思った僕は、近所の家を回って話を聞いてみました。
すると、通りのほとんどの家が夜中のラジオに困っていることが分かったのです。
そこで別の日の夕方、僕は近所の人3人と一緒に、もう一度その家を訪ねました。
向かいの奥さん、角の家の年配のご主人、そして斜め向かいの若いお父さんです。
玄関から出てきた主人は、僕たちを見て顔をしかめました。
「またラジオの話?好きに流させてくれよ」
僕は、できるだけ落ち着いて話しました。
「近所の方にも話を聞いてきました。夜中の音で困っている家が多いんです」
「だからって、うちの敷地で何をしようと勝手だろ」
「昼間は構わないんです。ただ、夜中だけは止めてもらえませんか」
すると、隣にいた角の家のご主人も口を開きました。
「うちも音が聞こえて困ってるんですよ。お宅が店を始める前からここに住んでますけど、こんなことをお願いするのは初めてです」
主人は年配のご主人を見て、少し驚いたような顔をしました。
向かいの奥さんも続けました。
「うちも夜中に子どもが起きちゃうことがあるんです。夜だけでもお願いできませんか」
若いお父さんもうなずいています。
主人はしばらく黙ったあと、小さく「分かったよ」と答えました。
僕たちはお礼を伝え、その場を後にしました。
その夜、作業小屋は夜中になると真っ暗になり、ラジオの音も聞こえなくなりました。
久しぶりに静かな夜を過ごし、僕は朝までぐっすり眠ることができました。
しばらくして、斜め向かいの若いお父さんと顔を合わせたときのことです。
「最近、よく眠れてますよ」
「うちもです。静かになってよかったですね」
そう言って、二人で笑いました。
今では通りの人たちと立ち話をする機会も増えました。一人では伝わらなかったことも、同じように困っていた人たちと一緒に話したことで、ようやく分かってもらえたのだと思います。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














