「私の自信作なんです!」2か月かけた後輩の提案書を丸ごとパクった先輩。だが、先輩の嘘が露呈した結果
2か月かけた成果物が消えた朝
今も、あの朝のことをたまに思い出す。
当時、職場の1年先輩はことあるごとに私の仕事ぶりにダメ出しをする人だった。
要領が悪い、判断が遅い。そう言いながら自分の雑務をこちらに回し続けていた。
3年間、ずっとそうだった。こちらが何か言い返せば、「あなたのためを思って言ってるのに」と返ってくる。その繰り返しだった。先輩が自分の仕事を正面から引き受けているところを、私はほとんど見たことがなかった。
大きなプロジェクトが動き出したとき、私は2か月間、データの収集から提案書の構成まで一人で仕上げた。残業も休日出勤もした。
上司への中間報告も毎週こなしながら、ようやく完成させた資料だった。先輩はそのプロジェクトに一切関わっていなかった。提出の前日、先輩が歩み寄ってきて言った。
「チェックしてあげる」
頼もしいと思った。ファイルを渡し、翌朝を待った。でも翌朝、私への連絡はなかった。先輩は単独で上司のもとへ向かい、上司に告げたのだという。
「私の自信作なんです!」
同僚から事後に聞かされたとき、耳を疑った。同時に、ああやっぱりそういう人だったんだ、という妙な納得感もあった。
ログが語り始めた
驚きはしなかった。似たようなことが繰り返されていたから、私はずっと記録を残していた。
指示のメール、修正のやり取り、ファイルの更新履歴、上司への進捗報告のメール。すべてに私の名前しかない。いつかこういうことが起きるかもしれないと、どこかで思っていたのかもしれない。
それとも、ただ几帳面な性格だっただけなのかもしれない。どちらにせよ、記録は確かに存在していた。
上司は報告を受けた後、念のため作業記録を確認した。
数日後、先輩が個別に呼ばれた。しばらくして廊下の雰囲気が変わったのを同僚が感じたという。
「作成履歴が後輩の名前だけど?」
廊下の外から様子を見ていた同僚が、後日こっそり教えてくれた。
先輩は返す言葉もなく、顔が真っ白になっていたと。
それまで威勢のよかった人が黙り込む様子は、見ていて分かるほどだったらしい。
それから部署内での先輩の立場は静かに変わっていった。
信頼していた人たちが距離を置き始め、やがて先輩は次の人事異動で別の部署に移っていった。
メールとログを保存し続けた3年間が、あの朝に報われた気がした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














