「お前が小さい頃はもっと包んでやった」と3000円のお年玉にケチをつける叔父。だが、祖母が放った一言で正月の食卓が一変
初めて用意したお年玉
祖母の家に親戚が集まる正月でした。社会人になって数年、私が初めて自分のお給料からお年玉を準備した年です。
渡す相手は、叔父の息子で3歳になる従兄弟。気持ち程度にと、ポチ袋へ3000円を包みました。
「お年玉だよ。大きくなったね」
従兄弟はまだお金の価値がわかりません。受け取ったポチ袋をそのまま父親の叔父に預けると、また床のおもちゃへ戻っていきました。
私はその様子を、面倒を見ながら微笑ましく眺めていたのです。
事件が起きたのは、その直後でした。
中身を確かめた叔父が、こちらを小馬鹿にするように言ったのです。
「お前が小さい頃はもっと包んでやった」
祖母が放った一言
叔父はさらに、ポチ袋をひらひらさせながら付け加えました。
「まあ、これっぽっちしか無理だよな」
明らかに嫌味でした。せっかくの正月の和やかな空気が、一気に凍りつきます。
私は何か言い返すべきか迷い、ぐっと言葉をのみ込みました。
自分で稼いだお金を、相手の子どものために包んだつもりでした。それを金額の多寡で値踏みされるのは、正直こたえました。
そのとき、料理を運んできた祖母が、叔父をまっすぐ見て言いました。
「気持ちのこもったお年玉、立派なものよ。金額で人を量るものじゃありません」
静かな、けれど芯のある声でした。叔父の表情がみるみるこわばっていきます。
「いや、俺はただ……」
言い訳をしようとした叔父を、祖母は穏やかに遮りました。
「3歳の子に3000円。気持ちが何より嬉しいに決まってるでしょう」
叔父は完全に言葉を失いました。周りの親戚たちも、そうだそうだと言わんばかりにうなずいています。
逃げ場をなくした叔父は、ばつが悪そうに「……そうだな」とつぶやくのが精一杯でした。
立場が入れ替わった食卓
さっきまで偉そうに金額を語っていた叔父は、すっかり小さくなっていました。
気まずさを隠すように席を立ち、台所で手伝いを始める始末です。
その背中を見て、私は妙にすっきりした気持ちになりました。祖母が代わりに言ってくれたからこそ、角を立てずに収まったのだと思います。
祖母は私のほうを向いて、いたずらっぽく笑いました。
「立派なお年玉でしたよ」
その後、叔父が金額を蒸し返すことは一度もありませんでした。料理に黙って箸を伸ばす横顔を見ながら、自分の気持ちは間違っていなかったと胸を張れた気がします。
お年玉の価値は、包んだ金額では決まりません。祖母の一言で、それがその場の全員にはっきり伝わった正月でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














