「プールは今日はやめてくださいね」と義母に念押し。だが、迎えに行った瞬間見てしまった、最悪の光景とは
添えた理由
四歳の息子を預けることになったのは、義母が何度も「預かりたい」と言って譲らなかったからだ。
「プール買ったから、こっちで遊ばせたいのよ」
うれしそうな声だった。断り続けるのも角が立つし、半日くらいならと、その日はとうとう預けることにした。
ただ、ちょうどそのころ息子は鼻をぐずらせていて、風邪気味だった。
だから預ける朝、私は理由をきちんと言葉にして頼んだ。
「この子、今ちょっと風邪気味なんです。冷えるとぶり返すので、プールは今日はやめてくださいね」
「はいはい、わかってるわよ」
その返事を信じた。預けてしまえば、義母を信じるしかなかった。
即答と沈黙
夕方、夫と二人で迎えに行った。先に庭が目に入ったのは、夫のほうだった。
夫の視線の先には、水を抜いて干されたビニールプールがあった。ついさっきまで使っていたとしか思えない、濡れたままの姿で。朝に伝えたお願いが、頭の中をよぎる。
胸騒ぎを抑えて家に入る。夫は穏やかな口ぶりのまま、義母に確かめた。
「プールで遊ばせた?」
「遊ばせるわけないじゃない」
あまりに迷いのない即答に、私は二の句が継げなかった。夫だけは表情を変えず、庭のほうへ視線を向けて言った。
「じゃあ、あの干してあるプールは何ですか」
義母の顔から、笑みが抜け落ちた。何か言いかけては飲み込み、視線をさまよわせる。部屋が、しんと静まり返った。
逆ギレと、夫の一言
沈黙に耐えかねたのか、義母は急に声を荒らげた。
「ちょっと遊ばせたいだけじゃない!」
その一言で、嘘も約束破りも、全部こぼれ落ちた。風邪気味だと伝えたのに、勝手にプールで遊ばせ、その上でなかったことにしようとした。それがはっきりしてしまった。
温厚な夫の声が、低くなる。
「やめてくださいって、ちゃんとお願いしましたよね」
「で、でも、ちょっとくらい……」
「遊ばせてないって、さっき言いましたよね」
夫が静かに事実を重ねるほど、義母は言葉を失っていった。最後はうつむいて、口をつぐむ。夫は息子を抱き寄せ、まっすぐに言い切った。
「もう信用できません」
義母は何も返せなかった。いつもなら何かしら言い訳を並べる人が、ただうつむいているだけだった。横にいた私も、これ以上ここで言葉を重ねる必要はないと思えた。
帰りの車のなかで、夫と決めた。これからは私たちの目の届くところでしか会わせない、勝手に預けるのはやめる、と。誰に子どもを託すかは、親である私たちが決めることだ。
あの日から、義母の「預からせて」はぴたりとやんだ。会えば、どこか遠慮がちにこちらをうかがう。線を引いたことで、ようやく落ち着いて向き合えるようになった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














