「お宅の子はハンカチで十分よね」子どもの誕生日プレゼントをランク分けするママ友。だが、誕生日会で化けの皮が剥がれた瞬間
あからさまな贈り分け
子どもの誕生日プレゼントひとつで、相手の家を値踏みするママ友がいた。美人の家、お金持ちの家。付き合う価値があると見れば、張り切って高い物を選ぶ人だった。
「うちは贈り分けて当然」
本人は、それを当然のことのように口にした。
「あの家は医者の奥様だから、デパートの焼き菓子と高級な果物セットにしたの」
その同じ年、うちの娘がもらったのはハンカチ一枚だった。
「お宅の子はハンカチで十分よね」
悪びれない言い方に、私は何も返せなかった。
家の格で子どもへの贈り物まで変えるその感覚に、ただ呆れるばかりだった。
娘は薄いハンカチをにこにこと受け取っていた。本人が気にしていないぶん、母親同士のやり取りで線を引かれたことが、よけいに胸に残った。
並べて気づかれた格差
潮目が変わったのは、グループ合同の誕生日会だった。
これまでプレゼントは家ごとに手渡しで、人前で見比べられることはなかった。けれどその日は、子どもたちへの贈り物を一か所に集めて開けていく流れになり、彼女の品がずらりと並んだ。
医者の奥様の子の前にだけ、立派な菓子折りと果物。
ほかの子には、明らかに見劣りする物ばかり。同じ人からの贈り物とは思えないほどで、差は言葉にしなくても全員に伝わった。
「これ、全部あの人からだよね」
「家によって、こんなに変えてたんだ」
誰かが小声で確かめると、ほかの母親たちもそれぞれ過去の贈り物を思い返したようだった。あの家の子だけいつも豪華だった、と気づいた顔がいくつも並ぶ。
母親たちの視線が、静かに彼女へ集まる。誇らしげだった表情が、少しずつこわばっていった。
輪の外に置かれた人
その日を境に、母親たちの態度ははっきりと変わった。お返しの場面でも、ひとりがきっぱりと口にした。
「お返しは結構です」
その一言に、ほかの母親たちも黙ってうなずいた。
「そんな……受け取ってくれてもいいじゃない」
彼女は慌てて取りつくろおうとしたが、誰も応じない。言いかけた言葉を飲み込み、視線を落としたまま固まってしまった。
「子どもの贈り物で家を選り好みするなんて、ちょっとついていけないよね」
そんな声が広がるうち、彼女はランチにも公園の集まりにも声をかけられなくなっていった。すれ違っても、母親たちはかつてのように足を止めない。
格で人を選んできた当人が、いつのまにか自分が選ばれない側に回り、輪の外に置かれている。誰も寄りつかなくなったその姿に、長く感じていた違和感が、ようやく晴れた気がした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














