「妻にはもう気持ちがない」浮気相手に送った夫のメッセージ。8年連れ添った妻の決断とは
借りたスマホに届いた通知
結婚して8年。子どもの写真を送ろうと、私は夫にスマホを貸してほしいと頼んだ。何気なく受け取った画面に、その時、一通の通知が滑り込んできた。
「早く会いたいな」
知らない女性からだった。心臓が嫌な音を立てた。思えば、夫はこのところスマホを片時も離さず、入浴中まで持ち込んでいた。
画面はいつも、こちらに見えないよう伏せられていた。
「最近、スマホばっかり見てるよね」
「疑いすぎだよ。仕事の連絡が多いだけ」
そう言われるたび、私は引き下がってきた。
深く考えないようにしていた、というほうが正しい。けれど、目に飛び込んだ一行が、これまで自分に言い聞かせてきた言葉をすべて崩していった。
あの言い訳の裏に、これがあったのか。私は震える指で、やり取りをさかのぼっていった。
相手に送られていた嘘
そこに並んでいたのは、見たことのない夫の言葉だった。
相手の女性に向けて、夫はこう送っていた。
「妻にはもう気持ちがない」
「離婚の話は進んでいる」。
続く一文に、目を疑った。
離婚の話など、私たちの間で一度も出ていない。
すべてが、その女性を引き寄せるための作り話だった。
家では「気にしすぎ」と私をなだめ、画面の向こうでは「もう気持ちがない」と別の女性に囁く。
同じ人間が、二つの顔を使い分けていた。その事実が、何よりも冷たく胸に刺さった。
私は証拠をひとつ残らず保存した。泣きわめくつもりはない。ただ、嘘を嘘のまま終わらせたくなかった。その夜、私は夫と向き合った。
「この人と、何かあるの?」
「いや、ただの友達だって。なんでそんなこと聞くんだよ」
夫はうんざりした顔で答えた。
私は黙って、スマホの画面を彼の目の前に差し出した。
「妻にはもう気持ちがない、って。これ、友達に送る言葉なの?」
夫の表情が、見る間にこわばっていく。
「それは、その場の勢いというか……」
「離婚の話が進んでる、とも書いてあるね。私、そんな話した覚えないよ」
反論しようと開いた口は、言葉にならなかった。
夫はそのまま、深く黙り込んだ。
終わらせて軽くなった胸
言い訳を重ねれば乗り切れると思っていたのだろう。けれど、相手に送った嘘と、私への弁解が、何ひとつ噛み合っていなかった。
「疑いすぎだ」と私を笑っていた人が、今は一言も返せずにうつむいている。
形勢はとうに、入れ替わっていた。
「嘘をつかれ続ける結婚は、もう続けられない」
そう口にした時、涙は出なかった。
むしろ、長く胸につかえていたものが、すっと下りていく感覚だけがあった。
夫は最後まで、私を引き留めなかった。信頼は戻らない。それでも、偽りの毎日を自分の手で終わらせられたことが、私には何よりの救いだった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














