「ここはプールじゃないからね」大きなお風呂にはしゃぐ子供。だが、旅の疲れがふっと軽くなったワケ
歩き疲れた一日の終わりに
家族旅行の一日目は、朝から観光地をいくつも回り、気づけばかなり歩いていました。
子どもたちも疲れていたので、夕食を終えると早めに部屋で休むことに。
子どもたちが落ち着いたあと、私は夫に任せて、ひとりで旅館の大浴場へ向かいました。
足も肩も重く、今日はもう何もしたくないと思うくらいでしたが、広い湯船に浸かると、張っていた体が少しずつほぐれていきます。
時間帯が遅めだったこともあり、浴場にいたのは私を含めて数人ほど。静かな湯の音を聞きながら、しばらくぼんやりしていました。
大きなお風呂を見て大喜び
そこへ、父親に連れられた3歳くらいの男の子が入ってきました。
男の子は広い湯船を見るなり、目を輝かせて、「プールだ!」とうれしそうな声をあげます。
どうやら普段のお風呂とは違う広さが、子どもにはプールのように見えたのでしょう。
そのまま勢いよく湯船へ向かおうとすると、父親がすぐに、「走らないよ。ここはプールじゃないからね」と声をかけました。
男の子は一度立ち止まり、それでもうれしさを隠しきれない様子で、父親と手をつないでゆっくり湯船へ入っていきます。
肩まで浸かると、「あったかいね」と笑う声が聞こえてきました。
私にも同じくらいの年頃の子どもがいるので、その姿を見ていると、つい家族のことを思い出します。
さっきまで部屋で子どもを寝かせるだけでも疲れたと思っていたのに、よその子の無邪気な様子を見ると、不思議と少し笑ってしまいました。
脱衣所で聞こえてきた一言
しばらくして私が先に湯から上がり、脱衣所で着替えていると、先ほどの親子も出てきました。
父親が男の子の髪をタオルで拭いていると、男の子が名残惜しそうに言います。
「またプール入りたい!」
父親は思わず笑いながら、「だからプールじゃなくて温泉だって」と返していました。
それでも最後には、「また来ようね」と優しく声をかけています。
ほんの短いやりとりでしたが、その言葉を聞いて、私まで少し温かい気持ちになりました。
一日中歩き回って、子どもの世話にも追われて、正直かなり疲れていたはずなのに、部屋へ戻るころには気持ちまで少し軽くなっていました。
子どもの何気ない一言には、大人が思っている以上に場の空気を和らげる力があるのかもしれません。
部屋へ戻りながら、明日は自分の子どもたちとも、もう少しゆっくり旅を楽しもう。そんなことを考えた夜でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














