「よかったら、ジムの外でも会わない?」スポーツジムで声をかけてくる男性。だが、女性が明かした事実で態度が一変
爽やかな常連の誘い
週末に通うスポーツジムで、いつも明るく声をかけてくる男性がいました。
トレーニング歴が長いのか体つきもよく、初心者の私にマシンの使い方を丁寧に教えてくれる。
感じのいい人だと、はじめは好意的に見ていたのです。
けれど、親切はやがて、しつこさに変わっていきました。
私が来る曜日も時間も把握しているようで、行くと必ず近くに現れる。
そのうち、連絡先までしつこく聞かれるようになりました。
「よかったら、ジムの外でも会わない?」
やんわりかわしても、彼は少しも引きません。ある日、ついにさりげなく食事に誘ってきました。断ろうとすると、先回りするように言うのです。
「妻とはとっくに別居中なんだ」
その一言で、かえって私は身構えました。
聞いてもいないのに、なぜ自分から家庭の話を持ち出すのだろう。取り繕うような口ぶりが、どこか嘘くさく感じられたのです。
親しげに笑いながら、彼は当然のように次の約束を取りつけようとしてきます。その妙な強引さに、私はますます警戒を強めていきました。
公園で見た光景
実はその前の週末、私は近所の公園で、彼の姿を見かけていました。
ベビーカーを押す女性の隣で、小さな子どもを抱き上げ、絵に描いたように幸せそうに笑っていた彼を。
とても、家庭がうまくいっていない人には見えませんでした。
あれが別居中の人の顔だろうか。胸の中で、ばらばらだった点が、ゆっくり線になっていきました。
あんなに幸せそうな家庭を持ちながら、ジムでは独身のふりをして声をかけていたのだと思うと、あきれを通り越して、背筋がひやりとしたのを覚えています。
次にジムで誘われたとき、私は落ち着いて切り出しました。
「昨日3人で公園にいましたよね」
彼の顔が、みるみる青ざめていきました。
「え、いや、あれは…たまたま親戚の子を」
言葉はそこで続かなくなり、こめかみには汗が伝っていました。苦しい言い訳を重ねるほど、その顔からは、いつもの余裕が消えていきます。
「奥さんとお子さん、大事にしてあげてください」
私が静かにそう言うと、近くで聞いていた顔なじみの女性が、こらえきれずに小さく吹き出しました。
彼はばつが悪そうに目を伏せ、逃げるように、そそくさとマシンの向こうへ消えていったのです。
それ以来、彼から声をかけられることは一度もなくなりました。ジムで顔を合わせても、気まずそうに目をそらすばかり。
あの日の公園の光景を覚えていたおかげで、誠実さのない誘いを、私はためらわず断つことができたのです。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














