「駐車場に停めて何が悪い」開き直った無断駐車の主。だが、住民5人に取り囲まれた結果
毎回ふさがれる、友人の車
その日、友人から「また停まってるの」と連絡が入った。
集合住宅の駐車場で、彼女の区画の前に見知らぬ車が横づけされ、身動きが取れないという。
今回が初めてではなく、ここのところ何度も繰り返されている無断駐車だった。声のトーンから、彼女がもう限界に近いのが伝わってきた。
駆けつけると、通路をまたぐように停められた車のせいで、友人の車はどう切り返しても出せそうにない。
仕事の予定も子どもの送り迎えも、その車ひとつでめちゃくちゃにされてしまう。
管理会社に相談しても持ち主が特定できず、打つ手がないまま同じことが続いていた。注意書きを風防に挟んでも、次に来たときには丸めて捨てられている。
相手はこちらが困っているのを承知のうえで、平然と居座り続けているようだった。
開き直った主が、翌日から来なくなった
途方に暮れていると、騒ぎを聞きつけた住人たちが次々と顔を出し、いつのまにか通路には5人が集まっていた。
それぞれが自分の目で困りごとを見てきた人ばかりで、空気は静かに張りつめていた。
誰かが我慢を強いられているのを、もう見過ごせないという顔だった。
「うちの前にも停められたことがある」「子どもが通るのに危ない」。
口々に不満がこぼれる。そこへ、当の持ち主だという男が悠々と戻ってくる。
周囲の視線などおかまいなしに、男はこちらを見下すように吐き捨てた。
「駐車場に停めて何が悪い」
あまりの言い草に、住人の一人が一歩前へ出た。
「悪いに決まってるでしょう。ここは契約した人の場所です。あなたが停めるたびに、出られなくて困る人がいるんですよ」
責め立てるのではなく、事実だけを淡々と積み上げていく声だった。
ほかの住人も次々に口を開く。「毎回、同じ場所ですよね」「困っている人がいるって、わかっていますよね」
5人がぐるりと囲むなか、逃げ場をなくした男の勢いは急速にしぼんでいった。
結局、男は最後まで頭を下げなかった。
それでも翌日、あの車は駐車場に現れなかった。翌々日も、その先も。友人はようやく普通に車を出せる日々を取り戻し、「一人だったら泣き寝入りしてた」と何度も礼を言った。
特別なことをしたわけではない。ただ、困っている人のために足を止めた人が5人いた。
その事実が、開き直った相手をいちばん静かに追い詰めたのだと思う。声を上げた人が5人そろっただけで、居座っていた理不尽はあっけなく退散していったのだった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














