「私をバカにしてるの、こんなの手抜きじゃない」出産祝いのお返しに文句を言う義母。だが、夫の正論で真っ赤になった瞬間
鳴り止まなかった義母の電話
出産祝いのお返しに、カタログギフトを選んだ。
親戚はそれぞれ好みが違う。自分で選んでもらうのが一番いい。夫とそう話し合って決めたことだった。
ところが、品が届いたその日の夜、義母から電話が鳴った。
「これ、何のつもり」
「カタログです。お好きな物を選んでいただけたらと」
「私をバカにしてるの、こんなの手抜きじゃない」
いきなりの言葉に、返す声が出なかった。
義母は続けた。義姉が出産祝いのお返しに贈ってきたのは、有名ブランドのタオルセットだったのだと。
3千円ほどの、上等な品だったのだと。
「あの子は、ちゃんと私のことを考えて選んでくれたの。あなたは冊子を放り込んだだけでしょう」
「予算はお義姉さんの時より…」
「金額の話じゃないの。気持ちの話をしてるのよ」
電話は、それから一週間おきにかかってきた。同じ話を、少しずつ棘を増やしながら。
「あの冊子、まだ棚に置いたままよ。見る気にもならないわ」
「お義母さんが選ぶのが一番だと思ったんです」
「そうやって、何でも人任せにするのね」
受話器を置くたび、指先が冷たくなった。
夫が置いた湯呑み
決定的だったのは、親戚が集まった日だ。
座敷でお茶を配りながら、義母は誰にともなく話し始めた。
「今どきの人は、お返しも冊子一冊で済ませちゃうんだから」
親戚の視線が、ゆっくりと私に集まる。
「センスも常識も、ないのよねぇ」
笑い声を期待するような言い方だったが、誰も笑わなかった。私が口を開くより先に、隣にいた夫が湯呑みを畳に置いた。
「母さん、それは違うよ」
「何が違うの」
「カタログは、母さんに好きな物を選んでほしくて贈ったんだ。二人で何日も相談して決めた」
義母の口元が、ぴくりと動いた。
「姉ちゃんのタオルは3千円だっただろ。嫌味を言うなんて、人として恥ずかしくないのか」
座敷が、しんと静まった。義母の顔が、耳まで真っ赤になっていく。
「……そんな言い方、しなくても」
声が震えていた。義母は周りを見回したが、味方はいなかった。義父が湯呑みを置いて言った。
「お前が言い過ぎたんだ」
夫の従姉も、静かに続けた。
「私、カタログのお返し、嬉しかったですよ」
義母は返す言葉を失い、逃げるように席を立った。
それ以来、義母への贈り物は一切やめた。
「気持ちが伝わらないものは、もう贈りません」
はっきりそう告げると、義母は口をつぐんだ。あれほど鳴っていた電話も、ぱたりと止んだ。今は法事で顔を合わせても、義母のほうが私の顔色をうかがっている。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














