「慣れれば平気、2日もあれば家事は慣れる」1日で音を上げた夫。それでも認めなかった時に返した正論とは
1日だけ、子ども2人を任せた
会社員の夫と、専業主婦の私。小学生と幼稚園に通う子どもが2人いる。夫は帰宅すると、決まって仕事の重さを語りたがった。
「外で稼ぐって、本当に神経を使うんだ。家にいるのとは違うんだよ」
その言い方が引っかかって、たまに私も口を挟む。
「家にいるほうも、それなりに動いてるんだけどな」
「まあ、暇そうではあるよな」
朝の支度から夜の寝かしつけまで、名前のつかない用事が途切れずに続く。上の子の宿題を見ながら下の子の着替えを追いかけ、その合間に洗濯機を二度回す。
それを何年やっても、夫の目には「家にいる人」としか映っていないらしい。
返す言葉を探しているうちに、夫はもうテレビのほうを向いている。何を言っても、届いた手応えがなかった。
そんなある土曜、私は外せない用事があって、子ども2人を夫に1日だけ預けて出かけた。
夕方に帰ると、家の中は台風が通り過ぎたあとのようだった。畳まれない洗濯物、床のクレヨン、流しに積まれた皿。夫はソファに転がり、腕で目を覆っている。
「おかえり……。子どもって、あんなに動くものなのか」
それでも認めなかった夫
ようやく分かってもらえた。そう思って、私は隣に腰を下ろした。
「大変だったでしょ。私の毎日の大変さも、少しは分かってくれた?」
すると夫は、疲れた顔のまま首を横に振ったのだった。
「慣れれば平気、2日もあれば家事は慣れる」
丸1日で音を上げた人が、言うことだろうか。私は麦茶をひと口飲んで、静かに切り出した。
「じゃあ、来月まで毎週やってみようよ。2日どころか、4回もあれば慣れるよね」
夫の肩が、目に見えて跳ねた。グラスの汗が、テーブルに小さな輪を残していく。
「いや、待て。毎週っていうのは、その……」
「慣れれば平気なんでしょ?」
言葉が続かず、夫は口を結んで下を向いた。そこへ、幼稚園の息子が走ってきて、夫の膝によじ登る。
「パパ、来週もずっと一緒?」
夫は息子の頭に手を置いたまま、しばらく何も言えなかった。
宣言どおり、毎週その日は夫に任せた。2回目で夫は無言になり、3回目の夜、皿を洗いながら背中越しに言った。
「ごめん。慣れの問題じゃなかった」
「その言葉が聞けて、よかった」
私は洗い終えた皿を拭きながら、それだけ返した。下手に出るつもりはなかった。
以来、夫が仕事の重さを語ることはなくなった。今は保育園バッグの中身も、洗剤の残りも、私より夫のほうが把握している。息子に「パパ、暇なの?」と聞かれて固まる姿を見るのが、我が家のささやかな楽しみになった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














