「その言い方は、やめてほしい」初対面に近い相手の無遠慮な一言に、私がはっきり違和感を伝えた結果
朝いちばんの声かけ
その会社に移って、まだ日の浅い時期のことです。
朝、出社してパソコンを立ち上げていると、他部署の男性が私のそばに立っていました。
ほとんど言葉を交わしたこともない人です。
それなのに、はじめから距離がやけに近いのでした。
「帰りの方向、一緒だよね?今度乗せてってよ」
朝からいきなりの申し出に、返す言葉を探しているうちに、話はどんどん先へ進んでいきます。
無遠慮な一言
趣味を聞かれ、体を動かすのが好きだと答えると、その人は私の見た目について、思ったままを口にしました。
じろじろと眺める視線も、あわせて向けられます。
本人は雑談のつもりなのでしょう。
けれど、初対面に近い相手に投げていい言葉と、そうでない言葉の区別が、すっぽり抜け落ちているようでした。
自分の趣味の話に移ってからも、その調子は変わりません。
「そういうの、興味ないでしょ」と、こちらの答えまで決めつけてかかります。
こちらが困った顔をしても、その人はまるで気づきません。
悪気がないぶん、かえってたちが悪いようにも感じました。返す言葉を探すほど、胸のあたりがざわついていきます。
朝の慌ただしい時間が、少しずつ嫌な色に染まっていくのを感じました。
ここで黙ってしまえば、この間合いが当たり前になってしまう。そう思ったのです。
はっきり伝えた朝
私は手を止め、相手の目を見て、静かに切り出しました。
「その言い方は、やめてほしい」
責め立てる調子ではなく、けれど、はっきりと伝えました。
見た目のことも、決めつける物言いも、続けられると困るのだ、と。
声が震えないよう、ひと呼吸おいてから口にしました。ここで言えなければ、きっとこの先もずるずると続いてしまう。そんな確信が、私の背中を押してくれたのです。
男性は一瞬きょとんとして、それから気まずそうに口ごもりました。「……そんなつもりじゃなかったんだけど」。声のトーンが、目に見えて下がっていきます。
やがて彼は「わかった、ごめん」と言い残し、自分の席へ引き上げていきました。
それからというもの、彼が無遠慮な一言をぶつけてくることは、なくなりました。朝いちばんに言い切れたあの数十秒が、私の職場での居心地を、確かに変えてくれたのでした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














