「連絡先でも交換しませんか」遊園地の行列でしつこく絡む男。だが、スタッフに相談した結果
楽しみにしていた乗り物で
その日は、ずっと乗ってみたかったアトラクションを目当てに、私は遊園地を訪れました。
案内板には、待ち時間が四十分ほどと出ています。
楽しみにしていたぶん、待つのも苦ではありませんでした。
ところが列に並んでしばらくすると、隣に立っていた年配の男性が、私のほうへ体を寄せて話しかけてきたのです。
「お一人ですか。こっちで一緒に待ちましょうよ」
私はとっさに、曖昧な笑みでその場をやり過ごそうとしました。
一度受け流しても、二度、三度と、男性は間を置かずに言葉を投げかけてくるのです。
やまない声かけ
「せっかくだし、連絡先でも交換しませんか」
やんわり首を横に振っても、男性はまるでこたえた様子がありません。
断るたびに角度を変えて、また新しい話を持ちかけてきます。
楽しみにしていたはずの待ち時間が、いつのまにか、ただ耐えるだけの時間に変わっていました。
前後を人に挟まれ、その場から動けないのも、じわじわと不安をあおります。
連れの女性がとなりにいるのに、こうも見知らぬ相手へ声をかけ続ける神経が、私には理解できませんでした。
無理に相手をすれば、かえってつけあがらせてしまう気もします。
かといって、強い言葉で言い返す勇気も出ません。私はただ順番の列だけを見つめ、早く前へ進んでほしいと祈っていました。
場所を変えて
もう我慢の限界でした。私は列の整理をしていた女性キャストに歩み寄り、周りに悟られないよう、そっと耳打ちしました。
「あの方に、何度も声をかけられて困っているんです」
キャストはすぐに事情をのみ込み、落ち着いた声で応じてくれました。
混雑を理由に列の並びを整えるふりをしながら、私を別の位置へと移してくれたのです。
「こちらの列にお回りください。順番は変わりませんので、ご安心を」
その一言で、私はあの男性のそばからそっと離れることができました。
自分から場所を変えるという逃げ道を、キャストが自然に作ってくれたのです。
離れてみれば、張りつめていた気持ちがすうっとほどけていきました。困ったときは一人で抱えず、そばの人に頼ればいい。
そう教わった気がして、残りの一日をのびのびと楽しめたのです。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














