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2026.09.05(Sat)

「やめてください!」何度離れても距離を詰めてくる同僚。拒絶したあとに残った違和感

「やめてください!」何度離れても距離を詰めてくる同僚。拒絶したあとに残った違和感

少し離れても、また距離が戻っていた

同じ時期に職場へ入った人がいた。

長机に椅子が二つ並び、片方が私、もう片方がその方の席だった。

覚えることが多い時期だったので、最初は分からないことを聞かれることもあった。

「これ、どうやるんでしたっけ」

「こっちを先に押してください」

そんなやり取りをする、ごく普通の同僚だった。

いつからだったのかは、はっきり覚えていない。ただ、少しずつ距離の近さが気になるようになった。

席では、私は椅子を少し離す。並んで待つ場面でも、少し距離を取る。それでも、しばらくするとまた近くにいる。

一度だけなら偶然だと思えた。でも、それが何度も続いた。

私は椅子を離し、返事を短くし、目を合わせることも減らした。

言葉にしなくても、これだけ距離を取れば分かってもらえると思っていた。

私の様子に気づいたのか、別の同僚から声をかけられたこともある。

「大丈夫ですか」

「はい、大丈夫です」

そう答えながら、自分でも少しずつ疲れているのが分かっていた。

けれど状況は変わらなかった。こちらが離れると、しばらくしてまた距離が近くなる。その繰り返しだった。

「やめてください」と声が出た

そしてある日、その日も私が少し離れたあと、気づくとまたすぐそばにいた。

何度目だったのかは覚えていない。

その瞬間、反射的に声が出た。

「やめてください!」

自分でも驚くほど大きな声だった。

書類をめくる音が止まり、その方も動きを止めた。私はそれ以上、何も言えなかった。

少しして、職場にはまたいつもの音が戻った。

変わったのは、その日からだった。

次の日も、その次の日も、以前のようにそばへ寄ってくることはなくなった。並んで待つときも、近づいてこなくなった。

止まったからこそ、残った違和感

止まったことにはほっとした。それなのに、気持ちはすっきりしなかった。

小さく距離を取っていたときには何も変わらなかったのに、あの声を出した途端に止まった。そのことが、ずっと引っかかっていた。

昼休みに同僚と話したとき、私はふと口にした。

「今まで分かっていなかったのかな」

本当に気づいていなかったのかもしれない。私が距離を取っていることを、拒絶だとは受け取っていなかったのかもしれない。

ただ、その答えを本人に聞いたことはない。

謝罪の言葉もなかった。それ以降、話しかけられることもほとんどない。仕事では必要なことだけをこなし、その方はほかの人とは普通に話している。

今も椅子は二つ、同じ机に並んでいる。

私は毎朝、その片方に座る。もう以前のように距離を詰められることはない。

それでも時々思う。

あそこまで大きな声を出さなければ、伝わらなかったのだろうかと。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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