「気をつけていたつもりなんですけど」夜10時を過ぎても続く隣人の騒音。だが、女性が直接注意をやめた理由
謝ってくれるのに、翌日にはまた聞こえた
寝不足が二週間ほど続いたころ、鏡を見ると自分でも分かるほど疲れた顔をしていました。
仕事の始業は朝七時です。できれば夜十時には眠りたいのですが、隣の部屋から聞こえる音楽の低い音が、日付が変わるころまで続くことがありました。
隣に住んでいたのは、感じのいい若い男性でした。
廊下ですれ違えば会釈をしますし、以前、宅配便を預かってくれたこともあります。
だから最初は、お願いすればすぐに解決すると思っていました。
「すみません。夜だけ、少し音を小さくしてもらえませんか」
「そんなに聞こえてましたか。すみません」
男性は申し訳なさそうに頭を下げました。その様子を見て、私も「これで大丈夫だろう」と思いました。
ところが翌日の夜も、壁の向こうから同じような低音が聞こえてきました。
数日後、もう一度お願いしました。
「気をつけていたつもりなんですけど…本当にすみません」
それでも、しばらくするとまた音が聞こえます。
三度目に伝えたときも、男性は素直に謝ってくれました。怒っている様子も、こちらを無視する様子もありません。
それだけに、私も強く言うことができませんでした。
ただ、謝ってもらうことと、実際に眠れるようになることは別でした。
四度目は行かず、日時を記録した
四度目に音が聞こえた夜、私は隣の玄関へ向かうのをやめました。
代わりに手帳を開き、音が聞こえ始めた時刻と、静かになった時刻を書きました。
それから毎晩、気になった時間を記録しました。二週間たつころには、手帳には十四日分の記録が並んでいました。
その手帳を持って、管理会社へ相談しました。
担当者は記録を確認しながら、これまでに直接三回お願いしたことも聞いてくれました。
「分かりました。今後はこちらから伝えますので、直接お話しに行かなくて大丈夫ですよ」
その言葉を聞いて、少し肩の力が抜けました。
数日後、管理会社から「隣室には夜間の音について注意しました」と連絡がありました。
その日の夜は、十時を過ぎても低音が聞こえてきませんでした。
翌日も、その次の日も同じでした。
毎晩開いていた手帳も、それ以降は書くことがなくなりました。
週末、駐輪場で隣の男性と顔を合わせました。
男性は少し気まずそうにこちらを見てから、頭を下げました。
「すみませんでした。音量は下げていたつもりだったんですけど、思っていたより響いていたみたいで」
私は「こちらも何度もすみませんでした」とだけ返しました。
悪気があったわけではないのだと思います。ただ、同じ部屋で聞く音量と、壁を越えて伝わる音は違うのでしょう。
直接話しても改善しないとき、何度も自分だけで解決しようとしなくてもいい。記録を残して、間に入ってもらえる人へ相談する方法もあるのだと、あのとき初めて実感しました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














