「レジ袋のサイズが違う!」レジ袋のサイズをめぐり店員を問い詰める客。最後まで声を荒らげなかった店員の対応とは
同じ言葉を、三度くり返した店員
買い物かごを提げて、レジのすぐ横の棚で牛乳を選んでいたときでした。
パックを手に取ったところで、二つ隣のレジから男性の大きな声が聞こえてきました。
「レジ袋のサイズが違う!大きい。これって言ってないよ、俺は」
見ると、レジ台の上には袋が置かれています。対応していた若い女性店員は手を止め、男性に頭を下げました。
「申し訳ございません。小さい方で計算し直します」
ところが男性は納得しません。
「その前に、なんで勝手に大きいのを出したんだって聞いてるんだよ」
店員はもう一度頭を下げました。
「袋の大きさを確認せず、お出ししてしまいました。申し訳ございません。小さい方で計算し直します」
店員が確認を怠ったこと自体は、店側のミスだったのだと思います。
ただ、訂正すると伝えても、男性は同じことを何度も問いかけていました。
「だから、なんで確認しなかったんだよ」
店員は少し間を置き、それでも声を荒らげることなく答えました。
「確認が足りませんでした。申し訳ございません。小さい方で計算し直します」
これで三度目でした。
その間にも男性の後ろには人が増えていきます。五人、六人と列が伸び、途中で隣のレジへ移る人もいました。
店員は何度も謝っています。それでも男性の声は止まらず、そのレジだけ会計が進まない状態になっていました。
列が、また動きだした瞬間
最初の声が聞こえてから、10分近く経っていたと思います。
私は牛乳をかごに入れたあとも、なかなか進まないレジの様子が気になっていました。
するとカウンターの奥から、エプロン姿の店長が出てきました。
「お待たせして申し訳ございません。ここからは私がお話をうかがいます」
店長は店員と交代し、男性の前に立ちました。
「袋の大きさを確認しなかった点については、こちらの確認不足です。申し訳ございません」
男性はまだ何か言いたそうな顔をしていました。
「小さい袋の料金に訂正しますので」
店長はそれ以上言い返すこともなく、必要な対応だけを説明しました。
しばらく黙っていた男性は、差額を受け取ると袋を手に取りました。
「次からちゃんと確認してよ」
そう言って、そのまま出口へ向かっていきました。
男性が離れると、止まっていたレジに次の人の商品が置かれました。バーコードを読み取る音が戻り、長く伸びていた列が少しずつ前へ進み始めます。
私の会計の番になったとき、先ほどの店員がレジに戻っていました。表情は落ち着いていましたが、伝票を持つ手が少し震えているように見えました。
「大変でしたね」
私が小さく声をかけると、店員は一度だけ頭を下げました。
「お待たせして、すみませんでした」
店側に確認不足があったとしても、訂正すると伝えたあとまで長く問い詰める必要があったのか。店を出たあとも、私は少し考えてしまいました。
ただ、何度同じことを言われても声を荒らげず、三度同じ言葉で対応していた店員の姿は、今でもよく覚えています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














