「あそこからだとよく見えないんですよ」運動会で撮影場所を守らなかった男性。だが、その後の行動に驚いた
撮影エリアの外に、一人だけ立っていた
息子の学校の運動会は、朝から曇り空でした。校庭の一角にはロープで区切られた撮影エリアがあり、保護者はそこで順番に前へ出て写真や動画を撮っていました。
私は自分の番を待ちながら競技を見ていたのですが、ふとゴール付近を見ると、撮影エリアから離れた芝生の上に一人の男性が立っていました。
大きなカメラを構え、走ってくる子どもたちを正面から撮っています。すぐ横は走路だったため、近くにいた先生が声をかけました。
「すみません。こちらではなく、撮影エリアからお願いします」
「もうすぐ息子が走るんです」
「ここは子どもたちが走る場所に近いので、危ないんです」
「あと少しだけなんで」
男性はその場を動かず、結局、自分の子どもがゴールするまでカメラを向け続けていました。競技が終わると、ようやく撮影エリアへ戻っていきました。
しばらくして、校内放送が流れました。
撮影は指定された場所から行い、走路の近くには入らないように、という案内でした。
ところが昼前になると、先ほどの男性がまた同じ芝生へ出ていました。
近くにいた保護者が、小さな声で話しかけます。
「さっき、放送でも言っていましたよ」
男性はカメラを構えたまま答えました。
「聞こえてました。でも、あそこからだとよく見えないんですよ」
2度目の放送のあと、男性が向かった場所
午後の競技が始まる前、もう一度マイクが入りました。
「先ほどもお伝えしましたが、撮影は決められた場所からお願いします」
今度は撮影エリアの位置と、走路付近には立ち入らないようにという案内が、ゆっくり繰り返されました。
それでも男性は、競技が始まると再び芝生へ向かいました。
すると、旗を持っていた係員と先生が男性のところまで歩いていきました。
「すみません。こちらには入らないでください」
「……撮るだけなんですけど」
「先ほどから何度かお願いしています。撮影エリアへ戻ってください」
男性はしばらく黙ったあと、周囲を見回しました。撮影エリアで待っていた保護者たちの視線にも気づいたようでした。
やがてカメラを下ろすと、男性はそれ以上言い返しませんでした。
ただ、撮影エリアへ戻るのではなく、そのままカメラをかばんにしまい、本部テントの前を通って校門のほうへ歩いていきました。
「帰っちゃったのかな」
近くの保護者がぽつりと言いました。
男性が本当に帰ったのかは分かりません。ただ、その後、私が見ていた範囲では芝生へ戻ってくる姿はありませんでした。
息子を少しでも近くで撮りたかった気持ちは分かります。それでも、子どもたちが走るすぐそばでは、安全のために守らなければならない場所があるのだと感じた出来事でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














