「毎週来てるけど、いつも遅いよね」混雑するレジで若い店員に不満をぶつけた男性。だが、後ろの女性が返した一言
一台だけのレジと若い店員さん
週末の買い出しは私の担当で、その土曜も夕方に近所のスーパーへ寄りました。
開いていたレジは一台だけ。10人ほどが並び、列は通路の半ばまで伸びていました。
レジに立っていたのは、まだ学生にも見える若い店員さんです。手際が悪いわけではありませんでしたが、かごいっぱいに商品を入れた客が続き、列はなかなか短くなりませんでした。
私の前には、60代くらいの男性が並んでいました。
男性は何度か時計を見て、そのたびにレジのほうをのぞき込んでいました。
やがて男性の番になり、店員さんが商品を通し始めたときです。
男性がレジ台に手を置き、身を乗り出しました。
「ねえ、ここ毎週来てるけど、いつも遅いよね。こんなに並んでるんだから、もう一人くらい出せないの?」
店員さんは一瞬手を止めました。
「申し訳ありません。いま応援をお願いしていますので、もう少々お待ちください」
男性は納得できない様子で、ため息をつきました。
「いや、毎週来てるけど、いつも遅いんだよ。こっちだってずっと待ってるんだからさ」
少し大きくなった声に、列にいた何人かが男性のほうを見ました。
私も何か言おうか迷いましたが、客同士で言い合いになれば、かえって店員さんを困らせそうで黙っていました。
後ろから聞こえた静かな一言
ほどなくして、売り場の奥から店長が小走りでやってきました。
「お待たせして申し訳ありません。隣のレジを開けます。次にお待ちのお客様から、こちらへどうぞ」
私たちは順番に隣のレジへ移り始めました。
すると男性は店長のほうを見ながら、まだ不満そうに言いました。
「ほら、最初からこうしてくれればいいんだよ」
そのとき、私の後ろに並んでいた年配の女性が口を開きました。
「でも、毎週いらしてるんですよね?」
男性が振り返ります。
「え?」
女性は怒った様子もなく、少し困ったような顔で続けました。
「それなら、この時間が混むのも分かってるんじゃないですか?」
男性は一瞬黙りました。
「…まあ、そうだけど」
それ以上は何も言わず、そのまま会計を済ませると店を出ていきました。
私の番になると、若い店員さんが頭を下げました。
「お待たせして、すみませんでした」
「いえ、大丈夫ですよ」
そう返すと、店員さんは少し表情をゆるめて、「ありがとうございます」と言いました。
混んでいれば、待つ側がいら立つ気持ちも分かります。
それでも、毎週来ているという男性自身の言葉を受けて返した女性の一言が、張りつめていたその場の空気を少しだけ落ち着かせたように感じました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














