「実は、50万円借りたんだ」入籍前に借金した夫。だが、何年も返済した私が知った本当の理由
入籍1か月前に告げられた50万円
家計簿をつけ始めたのは、結婚して最初の月でした。
最初のページのいちばん上には、返済の欄を作りました。入籍の1か月前、当時まだ婚約者だった夫が借りた50万円です。
そのことを聞かされたのは、新居の鍵を受け取った帰り道でした。
「あのさ……言っておかなきゃいけないことがある」
夫が急に足を止めました。
「何?どうしたの?」
「実は、50万円借りたんだ」
「……え? 何のために?」
「まあ、これから生活するのに、いろいろあるだろ」
「借りなきゃいけないくらい、何か必要なの?」
夫は目をそらしながら、「結婚したら家のお金から少しずつ返せば大丈夫だよ」と言いました。
納得はできませんでしたが、そのときはそれ以上の理由を聞けないまま入籍しました。
返済は毎月の家計から出すことになり、私は外食を減らしたり、自分の買い物を控えたりしながら返済分を確保しました。
一方、夫は家計簿を見ることも、「あといくら残っている?」と聞くこともありませんでした。
何年もたって知った借金の理由
それから何年もたった休日、夫が昔のアルバムをめくりながら、ふと思い出したように言いました。
「そういえば、結婚前に借りた50万円のこと覚えてる?」
「忘れるわけないでしょ」
思わず強い口調になると、夫は気まずそうに頭をかきました。
「あれ、別に大きな買い物があったわけじゃなかったんだ」
「じゃあ、何のために借りたの?」
夫は少し黙ってから答えました。
「結婚したら、自分で自由に使えるお金が減ると思ってさ。自由に使える現金が50万円くらいほしかったんだ」
「……それで、その50万円は?」
「そのあと、自分の出費に少しずつ使ってしまった」
私はしばらく言葉が出ませんでした。
「じゃあ、あなたが自分で使ったお金を、私は二人の生活に必要なお金だと思って返してたってこと?」
夫は黙ったまま、うなずきました。
「私、外食も減らしたし、自分の服だって我慢したんだよ」
「……ごめん。あのときは、そこまで考えてなかった」
家計簿を開いて決めたこと
私は台所の引き出しから、昔の家計簿を取り出しました。
「これ、見て」
返済額が並んだページを開くと、夫は黙って数字を追いました。
「こんなに細かくつけてたんだな……」
「何のための借金か分からないまま返してたからね」
しばらくして、私は夫に伝えました。
「もう同じことは嫌。これから借金するときや、大きなお金を使うときは、必ず先に二人で話そう」
夫は小さくうなずきました。
「うん。もう勝手には決めない」
それからは、自由に使うお金も毎月それぞれ決め、その範囲を超える出費は相談するようになりました。
今でも昔の家計簿を見ると、最初のページで手が止まります。
50万円という金額以上に忘れられないのは、お金の理由をきちんと話さないまま夫婦生活を始めてしまったことです。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














