「誰のや!こんなとこに置いたら邪魔やろ!」すべり台で子ども3人を怒鳴った母親。だが、帰りぎわに渡された水筒に唖然
踊り場の荷物に向けられた怒鳴り声
休日の昼、私は公園のベンチに座り、息子が遊ぶ様子を見ていました。
目の前の大きなすべり台では、小学生くらいの子どもたち3人が、楽しそうに遊んでいました。
すべり台のいちばん上には踊り場があり、その隅に3人のリュックや水筒が置いてあります。
遊んでいる途中ですぐに飲み物を取れるようにしていたのでしょう。
そこへ、小さな子どもの手を引いた母親が階段を上ってきました。踊り場で荷物に気づくと、足を止めて舌打ちしました。
「ちょっと、なんやねんこれ」
近くで順番を待っていた3人が振り返ると、母親は荷物を指さしました。
「誰のや!こんなとこに置いたら邪魔やろ!」
たしかに、踊り場に荷物があると通る人の邪魔になるかもしれません。
ただ、突然の怒鳴り声には私も驚きました。近くのベンチにいた保護者たちも、思わず顔を上げます。
「すみません、片付けます」
女の子が小さな声で答え、慌てて荷物を持ち上げました。すると男の子が、おそるおそる口を開きました。
「ぼくら、ここで遊んでただけ…」
「やめとき」
友達が袖を引くと、男の子はそれ以上言わずにうつむきました。それでも母親は声を荒らげます。
「なんや、文句あるんか!さっさとせえ!」
3人は荷物を持って階段を下り、私が座るベンチの脇に集まりました。さっきまで笑っていた子どもたちが、黙り込んでいるのが気になりました。
帰りぎわに差し出された水筒
ところが、その後の母親の行動を見て、私は目を疑いました。
母親は自分の子どもの首から小さな水筒を外すと、3人が荷物を片付けたばかりの踊り場の隅に置いたのです。
そして子どもと一緒に、何度もすべり台を楽しんでいました。
しばらくすると、母親は子どもの手を引いて、すべり台の下から帰ろうとしました。
踊り場には、あの水筒が置かれたままです。
そのとき、ベンチの脇にいた女の子が立ち上がりました。階段を上って水筒を手に取り、すべり台をすべり下りて母親のところへ向かいます。
「これ、誰の荷物ですか?」
差し出された水筒を見るなり、母親は言葉に詰まったようでした。
さっき自分が怒鳴った子どもから、同じ場所に置いていた水筒を渡されたのです。
周囲の保護者や、ベンチの脇に残っていた2人も、黙ってその様子を見ていました。
「……ありがとう」
母親は顔を赤くして水筒を受け取ると、子どもの手を引いて公園を出ていきました。
女の子が戻ると、友達が「すごいやん」と声をかけました。
「だって、忘れ物やもん」
女の子は少し照れたように笑いました。3人はまた並んで階段を上っていき、すべり台からは、先ほどまでと同じ楽しそうな声が聞こえてきました。
私はその様子を見ながら、子どもたちの落ち着いた対応が、強く印象に残りました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














