「予約サイトの写真とイメージが違う」旅館の部屋に不満を訴えた客。スタッフが予約画面を見せると、突然黙り込んだ理由
チェックインの列で聞こえた不満
温泉街の旅館に泊まったときのことです。夕方のチェックインの時間帯で、フロントには家族連れや観光客が並んでいました。私もその列で順番を待っていました。
すると、50代くらいの男性客がカウンターにやってきて、女性スタッフに声をかけました。
「さっき部屋に行ったんだけど、窓からの景色が思ってたのと違うんだよね」
男性は不満そうな顔で話を続けました。
「上の階の角部屋って空いてない?そっちに替えてもらえないかな」
「申し訳ございません。あいにく本日は満室でして、お部屋の変更は難しい状況です」
「ええ?でもさ、予約サイトの写真ではもっと景色がよかったんだよ」
どうやら男性は、予約時に見た写真と実際の部屋からの眺めが違うことに納得できないようでした。
「予約サイトの写真とイメージが違うんだよ。あれを見て予約したのに」
スタッフは丁寧に対応していましたが、男性の声は次第に大きくなっていきました。
後ろにはチェックインを待つ人が何人もいます。私も含め、周囲の人たちは困ったように様子を見ていました。
予約内容を確認すると…
「せっかく遠くから来たんだよ。部屋を替えられないなら、少しは値引きしてくれないの?」
男性はカウンターに身を乗り出し、スタッフの返事を待っていました。
女性スタッフは落ち着いた声で答えました。
「恐れ入ります。念のため、ご予約内容を確認させていただきますね」
スタッフはパソコンを操作し、男性の予約情報を調べ始めました。
そして、画面を男性のほうへ向けながら説明しました。
「こちらがお客様のご予約内容です。今回お申し込みいただいたのは、眺めを指定しないお部屋のプランですね」
「えっ?でも、写真には景色のいい部屋が載ってたよね?」
「はい。そちらのお写真は、眺望指定のお部屋のものになります」
「…そうなの?」
男性は画面をのぞき込み、しばらく黙っていました。
私の位置から画面の文字までは見えませんでしたが、スタッフの説明によると、男性が予約していたのは景色を指定できないプランだったようです。
「ご希望に沿えず申し訳ございませんが、今回はご予約いただいた内容でのご案内になります。料金も変更いたしかねます」
「……ああ、わかったよ」
男性は小さくそう答えると、それ以上は何も言いませんでした。
スタッフから部屋の鍵を返してもらうと、足早にエレベーターのほうへ向かっていきました。
男性がいなくなると、フロントにはいつもの落ち着いた雰囲気が戻りました。
「大変お待たせいたしました。次のお客様、どうぞ」
女性スタッフは私を案内してくれました。先ほどまで強い口調で話しかけられていたのに、その表情は変わらず穏やかでした。
すると、後ろに並んでいた家族連れの子どもが母親に小声で話しかけました。
「写真のお部屋じゃなかったんだね」
母親は慌てて口元に指を当てていました。
確かに、予約サイトの写真だけを見ると、どの部屋からも同じ景色が見えると思ってしまうことはあるかもしれません。
ただ、予約したプランの条件も確認しておく必要があります。
それ以上に印象に残ったのは、男性が声を荒らげても、最後まで冷静に対応していた女性スタッフの姿でした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














