「ラストオーダー?まだいいだろ」入店を断ったカップルから本部に苦情。翌日、マネージャーが見落としていた事実
ラストオーダー後にやってきたカップル
大学生のころ、夜のファミリーレストランでアルバイトをしていました。
当時は営業時間を短縮しており、ラストオーダーを過ぎたら新しいお客様はご案内しない決まりになっていました。
ある夜、ラストオーダーの時間が過ぎ、私はメニュー立てを片付け始めました。
そこへ、入口からカップルが入ってこようとしたのです。
私は急いで入口へ向かい、頭を下げました。
「すみません。ラストオーダーが終わってしまったので、今日はもうご案内できないんです」
すると男性は、私の肩越しに店内をのぞき込みました。
奥のテーブルでは、まだデザートを食べているお客様がいます。
「え、あそこまだ食べてるじゃん」
「あちらのお客様は、ラストオーダー前にご注文いただいているので……」
「ラストオーダー?まだいいだろ。ちょっとくらい」
「申し訳ありません。時間を過ぎたらご案内できない決まりなんです」
男性は納得できない様子で、隣の女性を振り返りました。女性もため息をついています。
「こっちは客なんだけど。ほんと感じ悪い店」
男性はそう言い残し、二人は駐車場のほうへ歩いていきました。
私もできるだけ丁寧に説明したつもりでしたが、あれほど不満そうに帰られると、やはり気になります。
それでも、決まりを破って案内するわけにはいきませんでした。
翌日、本部に届いていた苦情
翌日の夕方、出勤するとマネージャーに事務所へ呼ばれました。
「昨日の夜、入口でお客様を断った?」
「はい。ラストオーダーを過ぎていたので」
「そのお客様から、本部に苦情が来てるんだよ」
マネージャーはそう言って、苦情の内容をまとめた紙を見せてきました。
そこには、カップルが申告した来店時刻とともに、「店員に門前払いされた」「対応が感じ悪かった」と書かれていました。
「ちゃんと説明はしたの?」
「はい。ラストオーダーが終わっていることをお伝えしました」
「でも、こうして苦情になってるんだよ。もう少し言い方を考えられなかった?」
「失礼のないようにお伝えしたつもりなんですが……」
「そう言われてもね。本部にはこっちが説明しなきゃいけないんだから」
マネージャーの口調は厳しく、私の説明をあまり信じてもらえていないように感じました。
何を言っても言い訳に聞こえてしまうのかもしれません。
そう思いながら苦情の紙を見ていたとき、そこに書かれている時刻が気になりました。
「あの、ここに書いてある来店時刻なんですけど…」
「ん?この時間?」
「はい。うちのラストオーダーは、この時間より前ですよね」
マネージャーは紙に目を落とし、少し黙りました。
「……ああ、確かに過ぎてるな」
「その時間にいらっしゃったのであれば、ご案内はできないはずです」
マネージャーはもう一度、苦情の内容を読み返しました。
「そうだね。時間のことは確認してなかった。悪かった」
「いえ……。ただ、決まりどおりに対応したことは分かってほしくて」
「うん。そこは分かった。本部にも説明しておくよ」
マネージャーは受話器を取り、本部へ電話をかけ始めました。
事務所を出ると、ホールの先輩がこちらを見て、小さくうなずいてくれました。
もちろん、苦情に書かれた時刻だけで、私の接客態度まで証明できるわけではありません。
それでも、カップル自身が申告した時刻が、ラストオーダーを過ぎていたことは確認できました。
一方的に責められたままで終わらず、少しだけほっとしました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














