「あとでまとめて渡すから」と言った初対面の男性。二軒目の会計を立て替えた私が、次の誘いに返した言葉
楽しみにしていた初対面の食事
やりとりが楽しくて、会える日を心待ちにしていた年上の男性がいました。
その男性とはじめて顔を合わせた夜の出来事です。
一軒目は居酒屋でした。
会計は6,000円ほど。男性が現金で払うと言うので、私は自分の分として3,000円を渡しました。
話も弾み、楽しい時間を過ごしていたのですが、二軒目の会計で少し空気が変わりました。
伝票は4,000円ほど。
財布を開いた男性が、困ったような顔をしたのです。その店は現金しか使えませんでした。
「あれ、現金足りないや。ごめん、ここ払ってもらっていい?あとで返すから」
「えっ……あ、うん。わかった」
少し戸惑いましたが、私は会計を全額立て替えました。
店を出ると、男性は「ちょっとコンビニでおろしてくるね」と言って歩き出しました。
コンビニに着くと、男性はATMへ。
私は飲み物を買おうとレジに並びました。
すると男性が水とアイスを持ってきて、私のかごにひょいと入れたのです。
「あ、俺のも一緒にお願い。あとでまとめて渡すから」
「……うん、いいけど」
さっきの食事代と一緒に返してくれるのだろうと思い、そのまま支払いました。
ところが、コンビニを出たところで、男性は私のかばんの口を広げ、千円札を一枚入れてきました。
「はい、さっきの分ね!」
「……え?」
思わずかばんの中を見ました。
二軒目の会計は約4,000円。半分ずつなら、男性の負担は約2,000円です。それに、先ほどの水とアイス代もあります。
それなのに、返ってきたのは千円だけでした。
「次、いつ会える?」と聞かれて
「ねえ、さっきのお金なんだけど…」
「あ、駅こっちだよね。そういえば、この前話してた映画さ」
男性は楽しそうに話を続けます。
こちらが話しかけても、なかなかお金の話に戻れません。私はモヤモヤした気持ちのまま、駅まで歩きました。
やがて改札の前に着くと、男性が笑顔で私のほうを向きました。
「ねえ、次、いつ会える?」
その言葉を聞いて、私はかばんから携帯電話を取り出しました。
開いたのは、会計を記録したメモです。
二軒目の支払いをしたときに書き始め、その後のコンビニ代も書き足してありました。
私はその画面を男性に向けました。
「その前にさ、お金のこと、ちゃんと確認していい?」
男性が画面に目を落とします。
「二軒目のあなたの分だけでも、約2,000円だよね。水とアイスも私が払ってるし……。もらったの、千円だけだよ」
「あ……」
それまで笑っていた男性の表情が変わりました。
私は少し間を置いて、もう一度伝えました。
「ちゃんと精算できたら、考えるね」
男性は画面を見たまま黙ってしまいました。改札へ向かう人たちが、私たちの横を通り過ぎていきます。
「じゃあ、おやすみなさい」
私は携帯電話をしまい、改札を抜けました。
ホームへ向かう階段の手前で、思わず小さく笑ってしまいました。楽しみにしていた初対面が、こんな終わり方になるなんて思ってもいなかったのです。
しばらくして、男性から不足していた分のお金が黙って送られてきました。
けれど、それきり男性からの連絡はありませんでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














