「今、抜いてもらえない?」庭の小さな草にも口を出す隣のおばあさん。だが、町内清掃の日に思わぬ指摘を受けた
庭の草を見つけるたびにやってくる隣人
私が家を建てたのは、隣のおばあさんから買い取った土地でした。
おばあさんは以前の地主で、今もすぐ隣に住んでいます。
最初に注意されたのは、庭の砂利のすき間から小さな草が生えてきた頃でした。
ある日、玄関のチャイムが鳴り、外に出ると、おばあさんが庭の隅を指さしていました。
「ねえ、そこの草、気づいてる?」
「あ、草ですか。すみません、気づきませんでした。抜いておきます」
「今、抜いてもらえない?前から私が手入れしてきた土地だから、気になるのよ」
長年所有していた土地なので、気になる気持ちは分からなくもありません。
ただ、今は私の家の庭です。少し草が生えただけで注意されることには、戸惑いがありました。
それからも、草が少し伸びるたびにチャイムが鳴るようになりました。一日に何度も鳴らされることもあります。
出ないでいると、またチャイムが鳴ります。
「草、まだ残ってるわよ。早く取ってちょうだい」
そんなことが続き、休日は庭の草取りに追われるようになりました。
せっかく建てた家なのに、庭を見るたびに「また何か言われるかもしれない」と気が重くなっていました。
町内清掃で、隣人が指摘されたこと
そんなある朝、町内の一斉清掃がありました。
近所の人たちが道路沿いの草を刈る中、私も家の前のアスファルトのすき間に生えた草を抜いていました。
そこへ、おばあさんが出てきました。
私の庭を指さし、近くで作業していた人たちに向かって話し始めたのです。
「ここのお庭、いつも草が伸びてて困るのよ」
「何度も言ってるのに、なかなか取ってくれなくてね」
近くにいた人たちが顔を上げました。
私も立ち上がりましたが、何と言えばいいのか分かりません。
普段から草取りをしているつもりなのに、近所の人たちの前でそう言われ、困ってしまいました。
すると、はす向かいに住む年配の男性が、作業の手を止めて口を開きました。
「でも、お宅の土地のほうが、草が伸びてますよ」
男性が指さしたのは、おばあさんの家の横にある土地でした。
そこには、背の高い草がびっしりと生えていたのです。
おばあさんは振り返ると、何も言わなくなりました。
男性は続けました。
「それに、こちらの方は休みになるとよく草取りしてますよ。うちからも見えますから」
すると、近くにいた女性も言いました。
「私も見たことあるわ。朝からよく手入れされてるじゃない」
周りの人たちもうなずいていました。
おばあさんは何か言いかけましたが、結局何も言わず、庭を指さしていた手を下ろしました。そして、そのまま自分の家の門の中へ戻っていったのです。
その日を境に、おばあさんがチャイムを鳴らしてくることは、ほとんどなくなりました。
今では休日の朝、コーヒーを片手にゆっくり庭を眺めています。
あの日、近所の人たちが私の普段の様子を見てくれていたと分かり、それだけでも気持ちが軽くなりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














