「毎晩ドンドンうるさいんだよ」夜中の騒音を子どものせいにした下の階の男性。しかし管理会社には別の苦情も届いていた
下の階から聞こえる音と、突然の苦情
以前住んでいたマンションで、僕たち家族は下の階から聞こえる物音に悩まされていました。
夜中になると、洗濯機を回しているような振動が床越しに伝わり、言い合う声も頻繁に聞こえてきたのです。
それでも、直接苦情を言うことはできませんでした。下の階のベランダには大量のゴミがたまっていて、住人がどんな人なのかもよく分からず、少し怖かったからです。
むしろ気になっていたのは、うちの小さな子どもの足音でした。
「お部屋では走らないでね」
居間で駆けだそうとする子どもに、僕はよくそう声をかけていました。
下の階に響いて苦情を言われるのではないかと、いつも心配していたのです。
そんなある夜、玄関のチャイムが鳴りました。
ドアを開けると、下の階に住む年上の男性が腕を組んで立っていました。
「お宅、小さい子どもいるよね?」
「はい、いますけど……」
「毎晩ドンドンうるさいんだよ。こっちは眠れないんだから、ちゃんと静かにさせてよ」
突然の苦情に驚きました。
「でも、夜中は子どもも寝ていますし……」
「とにかく、管理会社にはもう連絡したから」
男性はそれだけ言うと、こちらの説明を聞かずに階段を下りていきました。
子どもが起きている時間の足音なら、こちらも気をつけなければなりません。でも、夜中の物音まで子どものせいにされるのは納得できませんでした。
管理会社が確認した、ほかの住人からの苦情
週が明けると、管理会社の担当者が双方の部屋を確認しに来ました。
僕は夜中に聞こえる洗濯機の音や話し声について説明しました。
子どももその時間には寝ていると伝えると、担当者はメモを取り、ほかの部屋の住人にも話を聞いて回りました。
その日の昼すぎ、担当者は書類を持って下の階の男性を訪ねました。
結果を伝えると聞いていた僕は、少し離れた階段の下で待っていました。玄関先で話す声が、そこまで聞こえてきました。
「上の子どもの件、どうなったんですか?」
男性が、担当者に強い口調で尋ねました。
「上のお部屋にもお話は伺いました。ただ、夜中の音がお子さんの足音だとは確認できていません」
「じゃあ、あの音は何なんですか?」
担当者は手元の書類を見ながら答えました。
「実は、ほかのお部屋からも騒音についてご相談がありまして」
「ほかの部屋?」
「はい。夜中の洗濯機の音は、こちらのお部屋から聞こえると相談が来ています。話し声についても同様です」
「えっ、うちが?」
「お隣や下のお部屋からもお話がありました。洗濯機を使う時間帯や、夜間の話し声には気をつけていただけますか」
男性は何か言いかけましたが、それ以上は言い返さず、黙って担当者の話を聞いていました。
ふと見ると、隣の部屋の住人も、少し開けたドアの陰から様子をうかがっていました。
それ以来、夜中に聞こえていた洗濯機の音はめっきり減り、男性がうちに苦情を言いに来ることもなくなりました。
ある夕方、居間で駆けだそうとした子どもに、僕はいつものように声をかけました。
「お部屋では歩こうね」
下の階への配慮は、もちろんこれからも必要です。ただ、以前のように、いつ苦情を言われるかと過度に怖がることはなくなりました。
そんな僕を見て、隣にいた妻も小さく笑っていました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














