「祝儀なんて、出すんじゃなかったわ」結婚式で母にケーキを渡した私。祝儀の話まで持ち出す義母に夫が反論
偶然重なった結婚式と母の誕生日
結婚式の準備を始めたころ、夫と私が決めていたのは、おおよその時期だけでした。
来てくれる人たちにも楽しんでもらえる式にしたくて、二人で相談しながら、いくつかの式場を見て回りました。
ある式場を見学したときのことです。庭の雰囲気がとても気に入り、夫と思わず顔を見合わせました。
「ここ、いいね」
「うん。僕もここがいい」
担当の方に希望する時期の空き状況を確認してもらうと、ちょうど大安の日が空いていました。
実は、その日は偶然にも私の母の誕生日でした。
せっかく同じ日になったので、夫に相談して、披露宴の途中で母にケーキを渡すことにしました。
ただ、そのことを義実家には事前に伝えていませんでした。
式の前には準備のことで義母と少しもめていたこともあり、今思えば、ひと言伝えておけばよかったと思います。
結婚式当日、私がケーキを渡すと、母は驚きながらも嬉しそうに笑ってくれました。会場からも拍手が起こり、私も嬉しい気持ちになりました。
ところが、親族席にいた義母は、あまりいい表情をしていませんでした。
祝儀の話まで持ち出した義母
式が終わったあと、夫は義母からこんなことを言われたそうです。
「あちらのお母さんの誕生日のために、うちが祝儀を出したわけじゃないのよ」
それから何か月かたった昼、夫と二人で義実家を訪ねました。
居間で義父母と座卓を囲み、最初は普通に世間話をしていました。
しかし、結婚式の話題になると、義母の口調が変わりました。
「あのときのことだけど、うちには何の相談もなかったわよね」
夫が義母のほうを見ると、さらに言葉が続きました。
「親戚の前で、私たちだけ知らない顔をして座っていたのよ。先に教えてくれてもよかったんじゃない?」
確かに、義母の言うことにも一理あります。私も申し訳なく思い、何と言えばいいか迷っていました。
夫が口を開きかけたところで、義母は続けました。
「もう、祝儀なんて、出すんじゃなかったわ」
その言葉に、私は思わず黙ってしまいました。
すると、夫が落ち着いた声で話し始めました。
「お祝いのことを先に話さなかったのは悪かったと思ってる。そこはごめん」
義母は小さくうなずきましたが、まだ納得していない様子でした。
夫は続けました。
「でも、日取りは、空いている大安の日を二人で決めたんだ。お母さんの誕生日と重なったのは、たまたまだよ」
「それはそうかもしれないけど、私たちには何も……」
「うん。だから、伝えなかったことは謝るよ。でも、祝儀を出さなきゃよかったとまで言われるのは、違うと思う」
夫は少し間を置いてから言いました。
「そこまで言うなら、祝儀はお返しするよ」
義母は何か言い返そうとしましたが、すぐには言葉が出てきませんでした。
その様子を見ていた義父が、義母の腕にそっと手を置きました。
「もう、よしなさい」
義母はそれ以上何も言わず、湯のみを手にしたまま黙っていました。
それ以来、義母が祝儀の話を持ち出すことはなくなりました。
義実家とは今も少し距離があります。それでも、あの日の帰り道、夫が私の手を取って言ってくれた言葉は忘れられません。
「君のお母さんの誕生日を祝えて、僕はよかったと思ってるよ」
義母への説明が足りなかったことは反省しています。ただ、母をお祝いしたこと自体は、後悔していません。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














