「彼のスケジュール、全部見せてほしい」友達のふりで探りを入れ続けた女。待っていた自業自得の結末とは
友達のふりで近づいてきた人
その電話は、しばらく連絡を取っていなかった友人からだった。
「あなたの知り合いだっていう人から、変な電話が来たんだけど」
友人の声には、はっきりと戸惑いがにじんでいた。
心当たりを探ると、一つ年上のあの知人しか思い浮かばない。
人懐っこく、出会ってすぐ友達のように振る舞う人で、私は少し苦手ながらも付き合っていた。
数日前、彼女は付き合っている彼氏の相談を、車の中で夜中まで続けていた。
彼が何を考えているのかわからない、休日に誰と会っているのか気になって仕方がない、と繰り返し訴えるので、私は眠い目をこすりながら、明け方近くまで聞き役に徹した。
あんなに親身になっていた自分が、急に馬鹿らしく思えてくる。
「彼のスケジュール、全部見せてほしい」
彼女は私と友達だと名乗っては、私の交友関係をたどり、彼氏の行動を片端から探ろうとしていたのだ。
「勤め先にまで来られてね。本当に困ったよ」
友人はうんざりした声でそう言った。まさか自分の名前が、彼氏を監視する道具として、そんなふうに使われているとは思ってもみなかった。
自分で招いた孤立
確かめてみると、探りを入れられていたのは、その友人ひとりではなかった。何人もが、同じ迷惑を受けていた。
「うちの店にも押しかけてきたの」
「あの人、もう関わりたくない」
誰もが口をそろえてそう言った。彼女は五人も六人も、私の知り合いを次々にたどっては、同じことを繰り返していたらしい。
私の名前を勝手に使われ、あちこちに頭を下げて回る羽目になる。
後日、数人で集まった席に、彼女も何食わぬ顔で顔を出した。
場の空気が張りつめるなか、ひとりが静かに問いかけた。
「私の職場にまで来たの、あなたよね」
彼女の表情が、さっと凍りついた。
「ちょっと確かめたかっただけで…」
言葉を濁そうとするが、続きが出てこない。周囲の冷たい視線に気づくと、彼女はうつむいて黙り込んだ。
「彼を見張るために、人を巻き込むのはやめて」
私がそう伝えると、彼女はもう何も言い返せなかった。同席していた友人たちも、無言でうなずくばかりだった。
やがて彼女は、席を立って足早に去っていった。それを境に、彼女の周りからは、ひとり、またひとりと人が消えていった。
あれだけ社交的に振る舞っていたのに、彼女の誘いに応じる人は、もう誰もいなくなっていた。
彼氏の一挙一動を握ろうとした人が、いちばん確かなつながりを、自分の手で手放していたのだ。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














