tend Editorial Team

2026.07.20(Mon)

「洗濯物は、どこにしまえばいいの」何でも指示を求める夫。呆れた私が夫に作ったものとは

「洗濯物は、どこにしまえばいいの」何でも指示を求める夫。呆れた私が夫に作ったものとは

自称イクメンの限界

夫の口癖は「俺、けっこう育児してるよ」だった。

友人に会えば「風呂も俺が入れてるし」と言い、それを聞いた相手は決まって「いい旦那さんだね」と私に笑いかける。

私はそのたび、曖昧にうなずいて済ませていた。

確かに風呂には入れる。公園にも連れて行く。ただ、保育園の持ち物に名前を書くのも、小さくなった服を入れ替えるのも、予防接種の日程を組むのも、全部こちら側にある。

「ちょっとだけ、分担できないかな」

「俺、頼まれてないから分からないだけだって」

頼むこと自体が仕事になっている、とは言えなかった。

その週、私は38度9分の熱を出して動けなくなった。夫に頼んだのは洗濯だけだ。

ベッドでうとうとしかけたところで、扉が開く。

「洗濯物は、どこにしまえばいいの」

「タンスの上から2段目」

数分後、また扉が開いた。

「これ、子どものやつ?大人の?」

「乾燥機、どのボタン」

三度目に起こされたとき、私は布団を出て洗面所へ向かった。熱でふらつきながら、畳み方としまう場所を一つずつ教える。夫は「聞けば早いじゃん」と満足そうだった。

担当表の前で黙った夫

熱が引いた土曜、私は白紙の紙を食卓に置いた。

「うちの家事と育児、全部書き出そう」

「そんなの、そんなにある?」

二人で挙げていったら、紙は裏まで埋まった。48個。夫は数を数えて、途中で口をつぐんだ。

「……俺のって、どれになる」

「風呂と公園とゴミ出し。3つだね」

「いやいや、名前書くやつとかも、たまにやってるだろ」

「先月の分、誰が書いたか覚えてる?」

夫の言葉が、そこで途切れた。ペンを持ったまま、紙の上で手が止まっている。

そこへ、4歳の息子がのぞき込んできた。

「パパ、ぼくの保育園のカバン、どこにあるか知ってる?」

「……いや、パパは、ちょっと」

息子はきょとんとして、そのまま私を見上げた。夫は紙から目を上げられずにいる。

「手伝うって言い方、もうやめよう。二人で回すものだから」

その日、担当表を一から作り直した。夫の欄には、朝の支度と寝かしつけと病院の予約が並んだ。書き終えた紙を見下ろして、夫はしばらく動かなかった。

「思ってたより、全然やってなかったな」

「うん。やっと分かった?」

それから半年、担当表は台所の壁に貼られたままだ。夫は自分の欄を見ながら先に動くようになり、私に確認を取る回数もめっきり減った。

飲み会から帰った夫が、この前ぼそりと言った。

「育児してるって、もう言わないことにした」

言わなくなった代わりに、この人はちゃんとやっている。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.09.07(Mon)

「30万円の話なんて、私は聞いてないよ」親戚にお金を貸した女性。共通の友人の一言で疑い始めた理由
tend Editorial Team

NEW 2026.09.07(Mon)

「多い日は1日に30件くらい来ています」寮の先輩から届き続けたメッセージ。相談後に決まった対応とは
tend Editorial Team

NEW 2026.09.07(Mon)

「今度、お茶でもどうですか?」診察で気さくに話しかけてきた女性。だが、お茶の席で始まった話に違和感とは
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.06.05(Fri)

「パートに有休はない」と怒る店長は違法?労基法が定める権利と現実に横たわる職場の深い溝、正当な主張を阻む空気感へ問題提起
tend Editorial Team

2026.03.10(Tue)

「自業自得だろ」「反省はしていない」と辛辣な声相次ぐ。渡部建「ネットニュースではもう揺らがなくなりました」と過去の不倫問...
tend Editorial Team

2026.08.24(Mon)

「これ、まけろよ!」カラオケ店で酔っ払って値引きを迫る客。だが、私が最後まで変えなかった主張
tend Editorial Team