「社会勉強だと思うしかないな」息子の車の代金を肩代わりした夫婦。だが、息子がようやく見せた本音とは
尻拭いに追われた毎月
息子が事故で車を廃車にしてから、私たち夫婦の家計は一変しました。
残ったのは300万円のローンに、息子が抱えた何枚ものカードの支払いです。
もともとは、自分で維持費も払うと言って買った車でした。
夫が気に入って、手入れに40万円ほどかけたぶんも、事故と一緒に消えてしまいます。
私たちは毎月の給料から少しずつお金を回していきました。
外食を減らし、二人のささやかな楽しみも後回しにして、まずは息子の支払いに充てる日々です。
「社会勉強だと思うしかないな」
夫はそう言いましたが、その声には疲れがにじんでいました。
黙って払い続けた私たち
正直に言えば、何度も投げ出したくなりました。
それでも、息子を借金まみれのまま放り出すことはできません。
「一度、あの子ときちんと話したほうがいいんじゃないか」
「今言っても、きっと逃げるだけよ」
私たちは、あまり多くを語らずに支払いを続けました。
責めれば息子が逃げてしまう気がして、言葉を飲み込んでいたのです。
息子のほうも、しばらくは目を合わせようとしませんでした。
食卓でも、必要なことだけを話して、すぐに部屋へ戻る日が続きます。
それでも、ローンの返済だけは一度も滞りませんでした。
息子なりに、思うところはあったのかもしれません。
この尻拭いは、いつまで続くのだろう。口には出せないまま、私はそう思っていました。
ようやく聞けた本音
変化があったのは、ある晩のことでした。夕食のあと、息子が珍しく席を立たずに、こちらをまっすぐ見て言いました。
「俺が働いて返すから」
財布からカードを一枚ずつ出して、自分の手で解約の手続きを進めていると打ち明けます。使う癖を、自分で断ち切るつもりだと言うのです。
「もう、あるだけ使うのはやめる。給料が入ったら、まず返す分をよけておくよ」
「ずっと甘えてた。父さんと母さんの給料をあてにしてたこと、悪いと思ってる」
隣で聞いていた夫は、何も言わずに、小さくうなずいただけでした。
長いあいだ黙って払い続けた人の、それが精一杯の返事だったのだと思います。
その本音を聞けただけで、これまでの重さが少しだけ軽くなりました。私は、無理しなくていいとも、頑張れとも言いませんでした。
ただ、黙ってうなずいて、息子の湯呑みにお茶を注ぎ足しました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














