「50万は返さない、もらったお金だ」勝手に主張をすり替えた叔母。変わらない暮らしぶりに私が抱えた本音
はっきり言い切られた日
親族が集まったある日のことです。
和やかに始まった席でしたが、話の流れで、以前叔母に用立てた50万円のことが話題にのぼりました。
いとこの入学金として、親族みんなで工面したお金です。
「そろそろ、あのお金のことなんだけど」
年上の親族が、言いにくそうに切り出したのがきっかけでした。私は内心、これで少しは話が前に進むかもしれないと、淡い期待を抱いていました。ところが叔母は、表情も変えずに言い切ったのです。
「50万は返さない、もらったお金だ」
借りたお金のはずが、叔母の中では、いつの間にか贈られたお金になっていました。
反論のすきも与えない口ぶりに、その場の誰もが黙ってしまいます。せっかくの集まりの空気が、一瞬で重くなりました。
飲み込んだ本音
本当は、言いたいことが山ほどありました。
あの50万円を渡したとき、叔母は必ず返すと確かに口にしていたのです。
私はその場に居合わせて、その言葉をこの耳で聞いています。
(もらったお金なんかじゃない。あなたは返すって言った)
喉のところまで出かかった言葉を、私は結局、飲み込みました。ここで言い争えば、親族の関係にひびが入ります。それがこわくて、私は口をつぐんだのです。
叔母を、どうしようもない悪人だと思いたいわけではありません。ただ、この人はお金との距離感がどこかでずれてしまったのだと、そう考えるほうが、まだ気持ちが楽でした。
変わらない暮らしを見ながら
やりきれないのは、叔母の暮らしぶりです。
営んでいた事業は、ここ数年でうまくいかなくなったと聞いていました。ふつうなら、少しは生活を切り詰めそうなものです。
それなのに、叔母の金遣いは以前と少しも変わりません。会うたびに新しい持ち物が増え、旅行の話も絶えません。そのたびに私は、あの50万円を思い出してしまうのです。
「あの人のなかでは、もう終わった話なのよ」
帰り道、一緒にいた親族がぽつりと言いました。たぶん、その通りなのでしょう。
「よく平気でいられるよね」
そんな言葉が、心の中だけでぐるぐると回ります。
返してほしいという私の本音は、この先も叔母には届かないのだと思います。正しさを抱えたまま、それを渡す相手がいない。この宙ぶらりんな気持ちを、私はいまも持て余しています。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














