「一緒に帰れなくて、さみしかった」重くなっていた同僚との距離。我慢出来ずに伝えた私の本音とは
相談相手から始まった
はじまりは、仕事の相談でした。同じ職場の彼女が、書類の進め方を私に尋ねてくる。それだけの関係だったはずです。
ところが、頼られる回数は少しずつ増えていきました。
仕事の話は次第に減り、かわりに私生活の話が増えます。退勤後、私の車の横で彼女が待つのが、いつのまにか当たり前になっていました。
「帰り、話し足りなかったから」
そう言われて車の前で立ち話をすると、毎日1時間近くが過ぎていきます。
帰宅してからも、メッセージアプリの通知は途切れませんでした。
最初のうちは、私も嫌ではありませんでした。頼られて悪い気はしません。
けれど話題は仕事から少しずつ離れ、休みの予定や家族のことにまで及ぶようになります。断ろうとすると、彼女は決まって寂しそうな顔をしました。
その表情を見ると、私はまた口をつぐんでしまうのです。
休日の駐車場で
ある休日、職場の近くのスーパーへ買い物に行きました。
広い駐車場のはずなのに、彼女は私の車をすぐに見つけて、こちらへ歩いてきます。
「一緒に帰れなくて、さみしかった」
笑顔でした。悪気はありません。それは分かっていました。ただ、休みの日にまで見つけ出されると、逃げ場が消えたように感じます。彼女との距離は、いつのまにか私が背負いきれないほど重くなっていました。
距離を言葉にする
波風を立てたくなくて、私はずっと笑ってやり過ごしてきました。けれど、そうしているかぎり、彼女はきっと近づき続けます。伝えないことは、やさしさではないのだと、そのとき思ったのです。
避け続けても、我慢を重ねても、この重さは消えません。
嫌いになって縁を切りたいわけではないのです。だからこそ、感じていることを、はっきり言葉にするしかないと思いました。
近づきすぎていること、少し離れた距離のほうがきっと長く付き合えること。私はそれを、できるだけ穏やかに彼女へ伝えました。
伝えたあと、彼女はしばらく黙っていました。それでも、私の言葉を突き返しはしませんでした。
「そっか。ちょっと、重かったよね」
ぽつりと、そう返してきました。その日から、彼女は駐車場で待ち伏せることをやめました。
今は、必要なときだけ言葉を交わす間柄です。距離を引き直したぶん、廊下ですれ違うと彼女のほうから軽く手を上げて、先に歩いていきます。その背中は、以前よりずっと軽やかに見えました。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














